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工務店や住宅メーカーにおいて、営業職は住宅販売の中核を担う重要なポジションです。
住宅販売は顧客との信頼関係が重視される職であり、営業職の手腕によってクロージング数が大きく左右します。
住宅業界は人材面の課題が多く、住宅営業が上手な人材は企業の財産です。
採用したばかりの人材に、どのように住宅営業の教育を行うべきか悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は住宅業界の営業職が抱える課題を交えつつ、住宅営業の具体的な教育方法や、営業成績を改善する方法を解説します。
住宅業界が抱える営業職の課題3つ
住宅業界が抱える営業職の課題は、主に以下の3つがあります。
- 営業職の離職率が高い傾向にある
- 住宅着工数が減少傾向にある
- 身に着ける知識が膨大である
住宅業界で働く営業職を効率よく教育するためにも、住宅業界の事情や営業職の課題について把握しましょう。
離職率が高い傾向にある
住宅業界は、離職率がやや高い傾向にある業界です。
厚生労働省の資料によれば、平成30年における「不動産業,物品賃貸業」の離職率は13.7%でした。
産業計平均である14.6%は下回っているものの、「宿泊業,サービス業」など一部業種が極めて高い数値を出している影響もあり、住宅業界も離職率が高い傾向にあると言えます。
出典:厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/19-2/dl/gaikyou.pdf
一方で、2020年度における営業職の求人倍率を見てみると、2020年4月は2.23倍と高いものの、2020年5月~2021年2月の求人倍率は高い時でも1.69倍となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、近年はやや買い手市場の傾向です。
出典:doda「転職求人倍率レポート(データ)」
https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/data/index.html
住宅着工数が減少傾向にある
住宅着工数は減少傾向にあり、住宅業界の将来性に関わる大きな課題です。
住宅の需要は人口と密接に関係しているため、若年人口が減少すると住宅の需要も減少します。
以下表は2016~2020年における住宅着工数の推移です。
住宅着工数(戸)
- 2016年:967,237
- 2017年:964,641
- 2018年:942,370
- 2019年:905,123
- 2020年:815,340
出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和2年計分)」
https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000960.html
住宅着工数の減少は明らかであり、特に2020年は前年の2019年と比べて約10%の減少を見せました。
業界の動向がやや下向きであることも影響して、住宅営業での受注獲得は過去と比べ難しくなり、営業職の実力差が顕著に出る状況です。
身に着ける知識が膨大
住宅業界の営業職として働くためには、顧客に質問された際に、すぐ答えられるよう知識を身に着けなければなりません。
身に着けるべき知識には、土地・住宅・ローン・建築技術など膨大な分野があり、自社・他社商品の理解も必要です。
住宅営業で必要となる知識の例をいくつか紹介します。
- 不動産登記の知識
- 固定資産税や不動産取得税の知識
- 住宅の工法、設計に関する知識
- 住宅ローンの種類・金利・返済方法に関する知識
また住宅営業を行う人材は、知識を身に着けるだけでなく、顧客に対して分かりやすく説明できるプレゼンスキルも必要です。
住宅営業の教育方法4つ
住宅業界では営業職の定着・飛躍を目指すためにも、住宅営業の教育を心がける必要があります。
以下に挙げる4つの教育方法を組み合わせて、効果的な社員教育を行いましょう。
- 教育フローの確立
- 先輩営業職による営業同行
- 資格取得のサポート
- データに基づいた指導方針を示す
4つの教育方法について、教育内容や具体的な方法を解説します。
教育フローを確立する
住宅営業の教育では、教育フローを確立することが大切です。
教育フローを作成する際は、目標とフェーズを設定し、定められたフェーズ内に目標を達成できるような人材育成カリキュラムを検討しましょう。
一例として、入社前から初めて営業に出るまでの教育フローを紹介します。
①入社前
- 目標:住宅営業の基礎が理解できた状態にする。
- カリキュラム:住宅営業の知識や商品知識を学ばせる。
②入社後半年間の研修期間
- 目標:顧客対応や営業方法を理解し、現場着任出来る状態を目指す。
- カリキュラム:指導担当者を配属し、計画的なOJTを行う。営業マナーを習得させる。
③住宅営業として現場着任後
- 目標:業務上の不明点や不安を解消する。単独営業が出来る状態を目指す。
- カリキュラム:定期的な面談と勉強会を開催する。
教育フローを確立することで、現時点で行うべき教育内容が明確となり、教育後の評価・フィードバックも容易となります。
営業同行を積極的に行う
新入社員に住宅営業の方法を学ばせるためには、先輩営業職や指導担当者が営業同行を行う事が一番です。
営業同行は、先輩が持つ営業のコツや手法を若手へと伝えられるメリットがあります。
営業同行を行う際は、以下のポイントを押さえましょう。
- 新入社員が商談を行った際の改善点・問題点は、現場ですぐ伝える
- 良かった点や悪かった点、フォローアップの内容はすべて記録する
- 帰宅後は営業同行の内容について意見交換を実施し、指導内容をおさらいする
実際に営業の経験を積ませることで、新入社員は少しずつ仕事に自信が持てるようになります。
また、仮に失敗があったとしても、その場で同行者による顧客のフォローが可能です。
資格取得をサポートする
住宅営業に関する知識を効果的に身に着けるためには、住宅関連の資格を取得することが有効です。
住宅営業におすすめの資格をいくつか紹介します。
資格名称と学べる内容
- 宅地建物取引士:不動産取引に関する法律や住宅建築時の制限など
- 建築士(1級/2級/木造):住宅構造や防災設備など、家づくりの知識
- 住宅ローンアドバイザー:住宅ローンの仕組み・商品知識やリスクなど
- ファイナンシャルプランナー:住宅ローン・不動産・保険商品・税金などお金全般の知識
- インテリアコーディネーター:住宅の間取り・環境やインテリアデザインについて
- 住宅FPマスター:住宅営業の倫理観や知識・情報・コミュケーションスキルなど
新入社員の学習を促進するために、企業として資格取得のサポートを整えることも検討しましょう。
具体的な例として、資格者の先輩社員が社内で資格勉強会を開催したり、会社から受験に必要な教材費・合格した場合に受験料を支給するなどの金銭的な補助を行うとよいでしょう。
また、資格を取得した場合の資格手当なども明確に決めておくと、資格取得のモチベーション向上に繋がります。
データドリブンな指導を行う
住宅営業におけるデータドリブンな指導とは、蓄積されたデータに基づいた営業ができるように指導することです。
トップセールスの獲得リード数・アポ獲得数・クロージング数などを参考に、新人教育の際も明確なKPIを定めましょう。
各指標の状況を随時分析することで、各営業マンのボトルネックな部分が明確化でき、
次のアクションに向けた指導が論理的に行えます。
住宅営業の伸びに悩む場合は「フランチャイズ」の検討もおすすめ
住宅営業の伸びに悩む場合は、住宅営業を根本から改善する「フランチャイズ」の検討もおすすめです。
住宅フランチャイズに加盟することで、住宅商品だけでなく、住宅販売のノウハウが詰まったパッケージを使用できます。
経営面や運用面においても、フランチャイズ本部の指導とサポートを受けられることが特徴です。
住宅フランチャイズのメリット・デメリット
住宅フランチャイズのメリット・デメリットを3つずつ紹介します。
メリット
- 確立された住宅販売のノウハウや、営業に活用できるデータが手に入る
- ブランドイメージや知名度により顧客からの信頼感を得られる
- 中小規模の会社では難しい大規模な広告・宣伝活動が行える
デメリット
- パッケージが加盟店側の方針や地域性と合わない場合もある
- フランチャイズ本部が提示するルールを遵守する必要がある
- 成果が得られなかった場合もロイヤリティを支払う義務がある
パッケージに住宅販売のノウハウが詰まっているため、時間をかけずに売上を伸ばす手段が手に入ります。
フランチャイズ本部のブランドイメージを利用できて、効果的な広告・宣伝が打てることもメリットです。
ただし、パッケージが加盟店側の方針や営業展開している地域性と合わない場合、営業マンや顧客に混乱を生む恐れがあります。
そのため、自社の課題に沿った提案を行ってくれるような、住宅フランチャイズ企業を選定することが大切です。
まとめ
住宅営業を行う営業職は、住宅販売の売上を左右する人材です。
住宅業界は離職率の高さや住宅着工数が減少傾向にあるなど課題を抱えているため、営業職の教育を効果的に行う必要があります。
紹介した4つの教育方法を参考にして、住宅営業の教育を進めましょう。
住宅販売の売上を伸ばすためにはフランチャイズもおすすめです。
住宅フランチャイズを利用することで、各社の課題に沿った住宅パッケージや、住宅販売のノウハウを使用し、営業を効率化できます。
住宅営業を根本から改善したい場合は、ぜひ住宅フランチャイズをご検討ください。
人材育成・経営改善も目指すなら
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住宅フランチャイズのサービス範囲は、フランチャイズ運営毎様々です。
住宅システムのパッケージ提供だけの運営会社もあれば、営業マンの育成・指導から建材納入、工務支援や工務店経営全般のサポートを行うところもあります。
私たちジョンソンパートナーズは、直営店では2020年度札幌市内着工棟数No.1の実績と、全国64店舗のフランチャイズ加盟店様への支援ノウハウ・実例があります。
30名を超える専属のフランチャイズ人員と直営店スタッフが加盟店様を住宅営業の初回商談の指導から工務店経営まで幅広くサポートいたします。
住宅商品パッケージだけではなく、新規集客・営業指導、経営計画の設計など、幅広い課題を解決する際は、ぜひ一度ジョンソンパートナーズにご相談ください。