売れない営業マンを0にする「アプローチブック活用術」

売れる仕組み
2021年09月01日 by 川田 新平

目次

こんにちは、ジョンソンホームズの川田です。

前回に続きジョンソンホームズの営業改革からの話題です。

改革前は、売れている営業マンとそうでない営業マンとの契約率に大きな差があり、さらに営業マンの多くは成果を出せていない状態でした。

全体的な営業力の底上げが必須で、改革を通じて目指すところは、売れている人と売れていない人の差を埋め、全員が年間12棟の受注を上げられるようにすることです。

差はどうすれば埋められるのか。思案の最中、トップ営業マンの手法を知ったことをきっかけに改革は進んでいきました。

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"やり方ばらばら問題"が浮き彫りに

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激動の2020年から明けて21年のスタートに、コロナ禍においても優秀な成績を収めたトップ営業の話を聞く機会がありました。

インタビューを受けたそのトップ営業マンは、なぜ売れているかの質問に、お客様と対面する初回接客の際に、アプローチブック(営業自身の自己紹介、住宅商品の特徴や会社の思いなどをまとめたツール)を徹底活用していると答えていました。

また、自身で構成を工夫し、内容を3カ月に一度は見直し、アップデートしながら使い続けていると言います。

トップ営業がアプローチブックを必需品とし、それを磨き続けて成績が良くなっていると知って、他の営業マンはどうなのかという疑問が湧きました。

聞いてみたところ「使ってます」「使ってません」「昔は使ってました」などと、答えは人によってまちまちです。

アプローチブックを使っているという営業マンもいたわけですが、いったいどんなふうに使っているのかという新たな疑問が湧いてきました。

そこで、新築住宅6ブランド全営業マン約50人の、初回接客アプローチブックフルトークのロープレ動画を撮るよう指示したのです。

さっそく撮影された、全員分の動画を見てみました。見て驚きました。

話していること、力点の置きどころ、話す順番...同じブランドのメンバーであっても、まったく違っていたのです。

音声だけを聞きながら仕事をしていると、仕事が手につかないくらい一言一句が入り込んでくるトークをする営業マンもいれば、一つも入ってこない営業マンもいます。

なかには、アプローチブックのページを進めているにもかかわらず、聞いていても今何を説明されているのかわからないくらい話の区切りがはっきりしない営業マンもいました。

この全営業分の動画を見る機会があったスタッフからは「話のよさや面白さと売ってる棟数がイコールですね」といった声があったほどです。

席が隣同士でも、仲が良さそうでも、日常のコミュニケーションの中では互いの商談のやり方は共有されていないようです。

見事なまでにばらばらで、ここまで違うものかと、なかなか衝撃的でした。

売れている営業マンと売れていない営業マンの差って...?

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皆ばらばらなロープレ動画を見て驚いたとはいえ、この"やり方ばらばら問題"は、過去から現在も組織を率いている私が引き起こしてしまったことです。

ただ、これほどまでに違うとは想像もしていませんでした。

売れている営業マンとそうでない営業マンの契約率の差は、センスやキャラクターだったり、人と関わることが好きだったり、目標を成し遂げようとするストイックさだったり、そういった違いによるもの。ずっとそう考えていたのですが、ふと、思い至りました。

そもそも話していることが違うのだから、結果に差が出るのは当然で、もしかすると話すことを同じにすれば、同じ結果が得られるのではないかと。

"差はやり方の違い"という気づきから、営業マン本人たちにも動画を見てもらい、トークが不揃いなことと、統一する必要性を認識してもらいました。

トークが揃うよう修正し、再度全員のロープレ動画を撮ったところ、話していることは同じになったものの、同じ話をしても"刺さり方"が違います。

ですが、話の刺さる・刺さらないといった課題も、ロープレ動画を撮影したことによって、トップ営業をはじめ、売れている営業マンの実際のトークを共有できるようになり、解決の方向へと向かっていったのです。

統一したアプローチブックと動画をフル活用

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ロープレ動画を撮ったことで、具体的に次のように変わりました。

従来は、上司が自分のやり方や価値観だけをもって、経験値の異なる部下に対して指導したり、課題ばかり指摘したりしていました。

今では、上司が部下と一緒に、手本となる営業マンのロープレ動画を見ながら、話の間の取り方、スピードやメリハリのつけ方など、細かなところまで具体的なアドバイスができるようになりました。

また、ロープレ動画に加えて、例えば、建て時についてのトークやSNS活用について等々、そのパートに長けた営業マンのノウハウを共有する動画も多数蓄積しています。

ロープレとノウハウの動画化は、それぞれの営業マンが、他の人の動画と見比べて自分に足りない部分を把握したり、いいやり方を取り入れたりするにも効果的です。

自分のタイミングでいつでも見て自習し、商談に臨むこともできるようになりました。

お客様に伝えるべき情報や構成等を精査し、統一したアプローチブックとトーク、手本を共有する動画の活用は、営業マン全員の初回接客の質向上につながりました。

ジョンソンパートナーズの直営店でもあるジョンソンホームズで取り組み、成果につながっていることは、全国の加盟店さんへ常に展開しています。

社内・加盟店向け動画アーカイブの記事へリンク.png

起こっている問題の根源と、さまざまな気づき

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この営業の"やり方ばらばら問題"を深堀していくと、ジョンソンホームズで起こっている問題の根源は、当社が中小企業から大企業へと変わっていっていることでは、という考えに行き着きました。

以前の会社規模では、人間関係の距離感の近さもあって「やり方は背中を見て覚えて」的な、いわゆる上司・先輩の暗黙知や、OJTによる教育が機能していました。

ところが営業職の人数が増え、従来のやり方が機能不全を起こしていたにもかかわらず、やり方を変えてこなかったのです。

ゆえに、新人は勘どころの良い人だけが成長し、成績が伸び悩む営業マンが増えていきました。

さらに突き詰めると、会社として営業の「型」を教えていなかったことが、業績低迷を招いた主原因だろうと気づきました。

会社の規模が大きくなっていくなかでは、抱える問題は従来と同じでも、問題のレベルが上がってくる。

また、規模に合わせて会社を新しい次のステージへ移行しなければ、会社の成長は停止する。

経営トップの方は、この視点が抜け落ちがちかもしれません。かくいう私もそうだったのですが。

ステージチェンジが必要だと気づき、その視点から現況を見渡してみると、アプローチブックだけでなく営業活動全体にわたって、物事が曖昧な状態を改善しない限り、営業改革は良い結果が出ないのではないかと脳裏をよぎりました。

そこから、全員が年間12棟の受注を実現するためには、新卒も中途採用者も、覚えること、やるべきことが明確にわかり、そのやり方を教えてもらうことができ、一人前になるまで課題がクリアになっている、という状態に変えていかなければならない。そんな思いを強くしたのです。

そしてこのことは、ジョンソンパートナーズにも当てはまります。

ジョンソンホームズの営業改革を成功させ、加盟店さんへ仕組みを共有・展開することで、全国の営業マンのみなさんが、成果につながる活動が可能になる、と考えました。

次回は今回の続編で、セールスステップについて取り上げます。

また、Facebookでも日々中小企業の経営者様が抱える経営課題の解決に繋がるような発信をさせていただきます。

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私たちジョンソンパートナーズは、直営店では2020年度札幌市内着工棟数No.1の実績と、全国63店舗のフランチャイズ加盟店様への支援ノウハウ・実例があります。

30名を超える専属のフランチャイズ人員と直営店スタッフが加盟店様を住宅営業の初回商談の指導から工務店経営まで幅広くサポートいたします。

住宅商品パッケージだけではなく、新規集客・営業指導、経営計画の設計など、幅広い課題を解決する際は、ぜひ一度ジョンソンパートナーズにご相談ください。

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