経営情報を社員に公開・共有すべきか?

売れる仕組み
2017年11月03日 by 川田 新平

目次

ジョンソンホームズの川田です。

タイトルの『経営情報を社員に公開・共有すべきか?』について結論からお伝えすると、経営に関する様々な数字は可能な限り公開したほうがいい、というのが私の経験から言えることです。

その効用についてお話しします。

情報共有で社員が対策・解決に動き出す

住宅建築では、実行予算を組み粗利をつかんで現場をスタートさせます。

ですが、同業ならばご承知のように、特にプランが複雑な注文住宅では不確定要素が多かったり不測の事態が発生したりで、計画通りにはいかないケースも多々あります。

たとえば100棟施工し、当初の実行予算に対して1棟あたり少額のマイナスになったとしても、全棟が同じマイナスの数字でフィックスされると全体でみれば結果は大きな「赤」。

この全体の状況をわかっているのは私だけで、社員に「なんとかせい!」という一方、どうにもならないものだという思いもあり、工事部をはじめ担当各者に指摘することもできず悶々と悩んでいました。

そこで、思いきって実行予算から完工までの全情報を公開することにしたのです。

これにより、大きな変化がありました。

情報を公開・共有して全社員が現状を把握することで、私がいわなくても「今年やばいよね」から「利益を減らさないためにどうする?」と対策を考え始めるのです。

各部署が解決に向かって動いてくれるので、実行予算と最終粗利の変動幅が小さくてすみます。

目的が明確になればモチベーションもアップ

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また、当社ではブランドごとに経費を持って活動し、一人ひとりが営業利益まで把握しています。

たとえばそのブランドの目標棟数をクリアしていても、広告費などかけた費用からみて1棟あたりの利益が低いとなると、ここでも「じゃあどうする?」という対策が話し合われるのです。

さらに全事業部の月次決算書も公開し、社員が会社全体の数字にふれる機会をつくっています。

情報を公開することで、社員は「なんのために」の目的が明確になり、それは個々の「もっと頑張ろう」というモチベーションにも影響を与えるのだということがわかりました。

前回の『キレのある「戦略」と社員の「ノリ」の不等式』の話にも通じますが、実感と理解と共感を持って社員がノリノリでやるほうが成果に結びつきます。

どんなに「危機感を持って」とか「なんとかせい!」といってみても、そもそも情報の少ない社員にしてみれば動きようがないんですよね。

情報公開=トップと社員間「情報格差」の解消

トップと社員とのどこに差があるかといったら、それは情報だけの差だなあとつくづく感じます。

「情報格差」をできるだけなくし、社員に同じ情報さえ渡せば、答えはさほど変りなく、また、彼らからいろいろな対策アイデアが出てくる。このことも大きな気づきでした。

社員のやる気を出させようとしても、なかなか上手くいかないと思われているとしたら、もしかして情報をクローズしていませんか。

それを可能な限り公開・共有することを始めてみるのもひとつです。

社員が経営者感覚を持つことはそうそうできるものではありませんが、やる気を起こさせる、主体的に経営に参加するというところで、情報を共有することはとても有効だなあと実感しています。

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