クレームの理由から考える住宅業界のクレーマー対応

お客様とつながる方法 / アフターサポート
2017年05月12日 by 金子 祐介

目次

住宅を作るためには、決めなければいけないことが非常に多く、実践経験に裏付けられた豊富な専門的知識が必要です。
そんな中、住宅業界は「クレーム産業」とも言われて、住宅業界のある特有の事情によって、お客様が不満を持ちやすい業界です。

クレームを未然に防ぐため、また発生したときにはうまく処理するために押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

住宅業界がクレーム産業と呼ばれる理由とは?

誠意を持って確実な仕事をすれば確認不足によるトラブルの大半は防ぐことが出来ますが、それだけではどうしても防げないクレームもあります。

その理由は、専門である会社側と、素人であるお客様との観点のギャップにあります。

当然ながら多くのお客様には専門的知識がありません。

その結果、会社側にとって施工が確実だったとしても、お客様にとっては期待と実際の間にギャップが残り、「こんなはずじゃなかった」というクレームが発生しやすいのです。

とは言え、住宅は多くのお客様にとって「夢の実現」でもあり、どうしても多くを期待するものです。
その期待を否定してばかりいては注文が取れませんし、かといってそのギャップを小さくするのも簡単ではありません。

お客様の指示通りに作ってもクレームになる

お客様が望む住宅を作ろうと細かい仕様を確認し、誠意を込めてその通りに作っても、クレームになりアフターサービスに苦労することも少なくありません。

住宅についてお客様の知識が専門的ではないので、お客様自身、作って住み始めてみないと実際に住み心地の良い家かどうかはわかりません。
そのため、設計段階でよかれと思って対応したお客様のご要望の仕様であっても満足を得られるとは限らないのです。

設計段階でお客様の指示に対して工務店から「その設計では住みづらい」と助言してもなおお客様の「こだわり」を通され、そのこだわりを優先にしたのに、結局、実際に生活を始めてみたら予想通り不便でクレームに転じるケースもあります。

この場合工務店に非はなく「お客様の指示通りです。私どももそう助言したはずです」と抗弁することは可能でも、満足感が得られなかったことに変わりはありません。

人は自分を尊重してくれる人のアドバイスは受け入れる

あるお客様は工務店にクレームをつけるに至った心情について、「担当者の仕事の進め方は、俺はプロなんだから任せておけというだけで、私たちへの思いやりを感じられず、こまめな連絡・確認もありませんでした」と語っています。

施主の家族構成、それぞれの願いをよく知り、その事情を踏まえて思いやりのある提案をしてくれる担当者であれば、アドバイスも自然に受け入れられるものですが、単に「任せておけ」では「素人は口を出すな」という姿勢も同然です。
このような姿勢ではたとえ正しい助言をしたとしても受け入れられるはずがなく、後々クレーマーを生んでしまうのは無理もありません。

「願いを実現する」といってもそれは「住宅の細かな仕様についてお客様の要望を細かく聞く」という意味ではありません。
人は、「自分が尊重されていない」と感じたときにクレームをつけるもの」なのです。

大切なのは、「自分のことをよく理解してくれて、願いを実現するために努力してくれる人だ」とお客様に感じていただくことです。

実際にクレームが起きてしまった場合

クレームの対応については一般的に「4つの基本手順」があるとされています。

心情理解・お詫び
原因・事実確認
代替案・解決策の提示
再度のお詫び、感謝


この4つの基本手順のうち、「問題解決」をするための手順は「2と3」だけで行います。
1の「心情理解」と4の「感謝」はいずれも「顧客を尊重する姿勢を示す手順」です。

人は自分が軽く扱われていると感じたときに不満を持ちやすく、アフターサービス時にそう感じさせられるとさらに不満がエスカレートしてしまいます。

ストレスを感じさせるサポートをしていないか見直そう

お客様にとって本当に大事なのは、家が完成してからの「暮らし」です。

お客様がわからないことについては住宅会社側から提案をして、考えなければならないことが最小限で済むようにサポートするべきです。

よくわからないことを考えなければならないストレスを与えていては、「お客様の指示通り作りました」という言い訳の材料にはなりますが、ともに夢を実現しようとするパートナーの姿勢とは言えません。

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まとめ

クレームの発生を防ぐためには、お客様の期待を実現する努力をすることは大前提として、非現実的な要望に対しては最善策を提案することも大切です。
また、クレームが悪化して深刻な事態を招くのは、お客様に「自分が尊重されていない」という感情があるときです。
常にお客様の夢をサポートする姿勢を見せて密なコミュニケーションを取ることが重要です。

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