「2025年問題」準備と心構え

売れる仕組み
2023年12月19日 by 小松 壮幹

目次

建設業の2025年問題とは

こんにちは、ジョンソンパートナーズ小松です。

一般的に「2025年問題」といえば、国民の高齢化に伴う社会保障に関する問題のことですが、建設業においてはもうひとつ「2025年問題」があります。2025年4月より建物の省エネ化が完全義務化され、これまで省略可能だった構造計算や検査のハードルが一気にあがります。これにより建物価格が上昇し、設計・施工も複雑化することから、「2025年問題」と呼ばれます。

今回のコラムでは極力ポジティブに、この"問題"を考えていきます。

問題視される背景

エネルギー価格の高騰、インフルやコロナなどの健康問題、地震大国ならではの安全対策など、建物の省エネ化、構造の強化は今の日本の大きな課題ですし、それを先導できることは建設に関わる我々にとって、本来"誇らしい"ことです。

しかし前述したように「建物価格が上がったら売れない」「設計作業が大変になる」といった"内向き"の理由と、「ローンが増えるお客様がかわいそう」「柱や壁が増えて住みにくい家になる」など、お客様にも"不利益"があると考えがちです。

デメリット.jpg

「法改正はデメリット」という認識のまま2025年を迎えてしまった工務店に明るい未来はないと思います。お客様への説明が終始ネガティブになり「昔は良かったことが今後はこうなります。残念ですが我慢してください」的な商談ストーリーになりがちだからです。夢をもって家を買おうとしているお客様は、そんな会社には依頼しないでしょう。

パラダイムシフト

工務店にとって法改正の一番大きな影響は「性能での差別化がほぼ出来なくなる」ことだと思います。これまで中途半端に高性能を売りにしていた会社は差別化要素がなくなり、全社「横一線」の再スタートになります。そうなると今後は性能以外の要素で差別化していく流れになるはずです。

ただし法改正前後の時期は、お客様との商談で「性能」の話に触れざるを得ません。

この時に気をつけたいのは、法改正後の「デメリット」部分です。私はあえてデメリットを伝える必要はないと思います。なぜなら、お客様にとって家を建てることは"初体験"なので、過去がどうだったかはあまり関係ないからです。

我々は経緯や歴史を知っているので(自慢もかねて)つい色々と話をしてしまいがちですが、それは逆効果です。例えば、最近好きになったバンドのライブ参戦前日に、バンドオタクの友人からネガティブな情報を聞かされても不快なだけですし、きっとその友人を嫌いになると思います。※スミマセン、私に起こった実話でした

メリット < ベネフィット

ここで改めて法改正後の「お客様目線でのメリット」に目を向けてみましょう。

① 価格面 ⇒ 光熱費が抑えられる

② 健康面 ⇒ 家の中の温度差が少なくなる

③ 安全面 ⇒ 地震に強くなる

もっと色々な要素がありますが、すぐに思いつくのは上記の3つです。これらはすべてのお客様にあてはまるメリットですし、営業マンが必ず口にすることだと思われます。

merit3.jpg

もっとズドンとお客様の心に響かせるためには、さらに突き詰める必要があります。

① 光熱費が抑えられることで、暮らしのどの部分に具体的な利益をもたらすのか?

② 温度差の少ない家は、住む人の健康に具体的にどんな効果があるのか?

③ 地震に強いと、地震の時の行動が具体的にどう変わるのか?

一般的な「メリット」の羅列で終わらせずに、住む人の具体的な利益「=ベネフィット」まで昇華させないと、他社との差別化にはなりません。

これまでのユーザー様や商談中のお客様ひとりひとりを思い浮かべながら、色々なパターンの「ベネフィット」、その家族にとっての「ベネフィット」をできるだけ多く考えておくことを今から始めるべきです。

ベネフィット事例

思いついたベネフィットを、「お客様の声」風に書いてみます。

<価格面>

・光熱費の差額でネットフリックス加入!大好きな「ワイルドスピード」シリーズが見放題!

・半年に1回の家族そろっての外食は、スシローではなく「叙々苑」になりました!

<健康面>

・子供がお風呂から濡れたままリビングに行ってしまっても風邪をひかなくなりました。

・真冬でも窓が結露することなくファブリース(防カビタイプ)いらずの毎日です。

<安全面>

・屋根に100人乗っても大丈夫でした!

・地震の少しの揺れでは起き上がらなくなりました。毎日爆睡、継続中!

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お手本には程遠いですが、このように具体的にイメージできるまで落とし込むと、よりお客様に法改正後の建物の良さが伝わると思います。

まとめ

・2025年問題を「問題」と考えない

・2025年以降は横一線の再スタート

・デメリットには触れない

・メリットで終わらせずベネフィットまで落とし込んで事例を話す

いかがでしたでしょうか。本コラムの内容に少しでも共感いただけたのなら、ぜひ次の会議の議題にしてください。

また、明るい未来を想像しながら、色々なベネフィット事例も作っていってください。

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