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時流を捉えた工務店経営
住宅を購入する層の中心がミレニアル世代になりました。この世代は価値観が前の世代と大きく異なると言われています。住宅を販売する層と考え方がまるっきり違うので、苦労している工務店様は多いかと思います。
ミレニアル世代については、現在までに様々な研究機関や、コンサル、マーケティングを行なう企業から分析やレポートが出ています。
今回は、世に出回っている分析結果と、ジョンソンホームズが実際に行なってきた施策を交えて、新しい価値観、日々変化していく時流に工務店が対応するために必要な時流の捉え方についてお話いたします。
時流を上手くとらえることが出来るようになると、新しい価値観・時代に遅れない住宅・暮らし方の提案が可能な工務店経営が出来るようになります。
時流をとらえる必要性
ジョンソンホームズは、創業から25年間、ジョンソンホームズブランドとして、北米輸入住宅を高所得者層向けに販売を行っていました、しかし、バブルの崩壊や人々の価値観の変化で業績が低迷。札幌市で年間100棟前後の実績が年間30棟まで落ち込みました。
そのため、時流をとらえ、今の価値観に合わせた商品開発が必須でした。
今では5つの新築住宅ブランドと、3つのリフォーム、リノベーションブランド、建売・外構事業など様々な商品をマルチブランド運営しています。マルチブランド展開で試行錯誤することで、商品のコンセプトや世界観、暮らし方の提案ノウハウを獲得し、年間300棟ビルダーへと成長するまでに至りました。
時流をとらえる3つのポイント
時流をとらえるポイントは3つあります。
- ミレニアル世代の価値観変化
- 働き方改革
- 判断基準の変化
ミレニアル世代について
ミレニアル世代とは、2000年代に成人・社会人になる世代の事です(1981年~1995年頃生まれ)いまお家づくりを検討しているお客様の60%以上がこの世代に該当し、年々増えていきます。工務店はミレニアル世代を理解しなければ今後この60%以上のターゲットを失うことになります。
ミレニアル世代は、前の世代と大きく価値観・ライフスタイルが異なる世代と言われています。
ミレニアル世代の特徴は以下の3点です。
- デジタルネイティブ
- それまでの世代と異なる価値観
- それまでの世代と異なるライフスタイル(働き方)
デジタルネイティブ
ミレニアル世代は、物心ついたときからインターネットが存在し多くが学生時代にパソコンを授業で習い、スマートフォンを当たり前のように手にしている世代です。インターネット・SNSで積極的に情報収集・コミュニケーションを行います。
家づくりの進め方もデジタルネイティブならではで、好みの住宅テイストの見学会チラシを見た後、最初に行なうアクションは企業のWEBサイトやSNSの検索・閲覧です。充分な情報収集を行って、自分の価値観に合っている場合だけ問い合わせやイベント来場へ進みます。その後のお打合せや連絡も、電話ではなくメールやLINEでのやり取りを好むため、電話営業が主体だった時代の営業マンには非常にやりづらい世代ではないでしょうか。
つまり、WEBやSNSの対応が遅れている企業はまずミレニアル世代の選択肢に入ることはありません。
異なる価値観
価値観は、ものよりコトを重視する傾向にあります。
ブランド品よりも自分がいいと思えるものを欲しがり、コストパフォーマンスを常に意識します。シェアリングエコノミーやクラウドファンデングなど、新しい価値観のサービスについても関心が高い傾向にあります。
住宅の性能を全面に押し出すよりも、お家の暮らし方などのライフスタイル提案でいかに自社の住宅の世界観を伝えることが出来るかが重要になってきます。
異なるライフスタイル
ライフスタイルでは前の世代よりも、より仕事とプライベートの両立・充実に関心があります。その他、大きな収入を得ることよりも、楽しい生活や社会の為に役に立てる仕事をしたいと思っている人がより多い世代です。
そのため、社会貢献している企業や環境配慮についてしっかり対応を行っている企業への評価は非常に高く、会社の考えに共感できるかどうかが大きな判断基準になります。
そのほか、収入が多い世代ではないため、月々無理のない支払いで家を購入したいと思っており、ローンとライフスタイルを一緒に提案してあげることが安心や信頼に繋がります。
働き方改革
日本の企業文化、企業風土を変える国主導の取組です。2019年4月より働き方関連法案が順次試行されており、時間外労働の上限規制や年次有給休暇のルール、同一労働同一賃金の導入など日本の働き方のルールが大きく変わりはじめました。
なぜ必要なのか?
少子高齢化の進行により、現役世代の大幅減少が見込まれています。
一方女性については、働く意欲はあるのに出産や育児などで働けていない方が少なくありません。また、内閣府の調査では、65歳を超えても働き続けたいと考えている方が50.4%で、半数以上となっています。
※内閣府「平成25年度高齢期に向けた「備え」に関する意識調査」より
このように、働く意欲のある方がその能力を最大限に発揮しながら働けるようにしていくことが必要になっています。しかし、「長時間労働」が当然の日本では男性社員中心の職場が少なくありません(特に我々建設業全般は顕著ではないでしょうか)。長時間労働は健康確保だけではなく、仕事と家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や女性のキャリア形成を阻む原因になっています。
以上のことから
- 職場風土を改め、より短い時間で成果を出せる働き方
- 働く意欲のある方が、個々の事情に応じて多様な働き方を選択できる
という事が求められています。
働き方改革でなにが変わるのか
まず、国として共働きを推奨する流れが来ています、その中で従来の専業主婦向けの住宅の作りは通じなくなっています。平日の家事は時短を強いられるため、いかに効率がいい家事動線を作ることが出来るかが重要になっています。
また、休日しか家族が団らんする時間を取れないため、それに合わせた暮らし方の間取り提案が必要です。さらに、最近では在宅やテレワークも求められ始めました。家族それぞれ作業できるスペースを確保を望むお客様も増えてきて、よりお家で何が出来るか、何が便利になるのか。という「暮らし方」がしっかり提案できることが、働き方改革に対応した工務店の必須条件となります。
判断基準の変化に対応
ミレニアル世代の登場と国主導の施策である「働き方改革」の推進で顧客の価値観と世の中の仕組両方が変わり始めています。ミレニアル世代に対応出来ないと今後一戸建てを考えている層の大半を失い、働き方改革に対応が出来ないと、生産性の低下や採用難の陥り、結果として企業が立ち行かなくなる可能性があります。
新しい価値観や日々変化していく時流に工務店が対応していけるスキルを身に着けることが企業、従業員、顧客を守るとともにビジネスを加速させるきっかけになり、今後それは顕著になっていきます。
ジョンソンパートナーズでは、冒頭でご案内した通り、時流に合わせた商品を常に開発し続けております。約3~5年毎に自社商品をブラッシュアップしていくことで、世の中の価値観の変化に対応し、お客様へ新しい価値を提案出来ております。
特に2013年に開発し、2020年6月に全国展開を開始しましたアメカジ工務店はガレージ付き住宅ですが、決してガレージを売り出すことは無く、ガレージでの暮らし方をお客様に提案することで見学会来場時に競合排除、ファン化をすることが出来ています。
https://www.johnsonhome.biz/product/amecaji/
その他、2009年にリリースし、2020年にリニューアルを行なったハグハウスは、子育てママの生活から子育てファミリーの暮らしにフォーカスをずらすことで、圧倒的に開発コストを抑えてレッドオーシャンだった市場から脱却することに成功しました。
https://www.johnsonhome.biz/product/hughouse/
このようにジョンソンパートナーズでは、時流に合わせた商品の開発、販促・集客手法の確立を直営店と全国加盟店様の情報、実績を基に開発をしております。
ジョンソンパートナーズの展開商品や支援サービスにご興味ありましたらお気軽にお問合せ下さい。