部下に仕事を任せられない企業は部下の育成ができない

楽しい会社づくり / 従業員満足
2017年04月06日 by 金子 祐介

目次

「部下が使えない、育たない」というのは、世の中の「上司」が飲み屋でこぼす悩みの定番ではないでしょうか。
しかし、それは結局のところ「部下の育成という仕事をしていない」ということでしかありません。

実際には、世間には未経験者を集めてあっという間に戦力化し成果を挙げる上司も存在します。
そんな上司は何をしているのか、部下育成のポイントを探ってみましょう。

部下に仕事を任せるために必要な「育成ポイント4つ」

リクルートの関連会社で営業アウトソーシング事業の責任者を経て、現在は営業チーム作りのコンサルタントとして独立している庄司充氏は、営業未経験で簡単なアルバイトしかしたことがないような職歴の若者を雇っては、短期間で即戦力の営業マンとして戦力化する実績を挙げ続けてきた方です。

庄司氏によると、部下に仕事を「任せる」ことができるようになるためのポイントは大まかに4つのステップがあります。

①仕事内容の切り分け

「任せたから後は成果を出せ」とプレッシャーを与えて部下に仕事を丸投げし、成果が出なかった時は「今時の若いのは使えない」と愚痴をこぼすだけでは、一生「任せられる」ようにはなりません。
成果を挙げるまでに必要な一連の仕事を複数のプロセスに切り分けることがまず必要で、たとえば営業系の仕事であれば「アポ取り」「ヒアリング」「提案」などに分解します。

②体系的教育

切り分けたら、全体としての流れを踏まえて個々のプロセスの「目的」と「するべきこと」を教えます。教えるためには上司が仕事を把握していなければならず、把握していれば仕事の進め方も改善できるので、これは重要なことと言えます。

③モニタリング(レビュー)

しかし教えたとしても実行した時にはその通りにうまくいくとは限りません。
たとえばアポ取りのための電話営業で5%のアポ獲得率がある計算を立てていたのに、実際やってみたら1%しかなかったというような場合、見込み客リストがターゲットを外しているか、話の組み立て方が悪いか、トークが下手か、どこかに問題があるはずです。

対処するためには、まず問題の存在に気がつかなければなりません。気がつくためには、その進行状況を上司と部下との間で労力をかけずに共有できる仕組みを作って「モニタリング」する必要があります。成績が下がっている場合はどこかに問題があるので、それを見極めて解決するのは上司の仕事です。

④助言・調整

その問題が「トークが下手」というようなことだったら、以前であれば個人の責任として突き放されていたものでも放置せず、たとえば自分から助言をしたり、上手な部下を指導役としてつけた上で、その分の目標を調整するなどの対策をします。
個人の責任として突き放すと一部の部下に過重な負担がかかり、それが仕事の質の低下となり顧客満足度を下げることになります。

庄司氏によると、この4つのポイントを実践すれば部下に仕事を任せられるようになり、部下は自分ができる範囲から少しずつチームに貢献して自信をつけながら仕事の範囲を広げ、成長していくことができるそうです。

部下の育成をする上で必要な、上司がすべき仕事とは?

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切り分け・体系的教育・モニタリング・助言は、いずれにしても、経験の浅い社員にはできません。


部下の育成に効果的なこれらの仕事をこなすためには、業務をよく知っていることに加えて、上司側から部下にコミュニケーションを取って悩み・問題を聞き出す能力が必要です。

これは経験豊富でかつマネジメントに責任を持つ者だからこそできる、そしてやらなければならない仕事と言えます。こうしてみると、上司が本当にすべき仕事は2つに大別できそうです。

現在のメイン業務で成果を挙げること

ひとつは既に説明した「切り分け」から「助言」までを行うことで、「既にある程度成功パターンがわかっている現在のメイン業務で成果を挙げる」ことです。

たとえば営業系の仕事であれば「アポ取り」「ヒアリング」「提案」などのプロセスに切り分けられますが、いずれにしてもそれらの実務はどんどん部下に任せるべきであり、そのプロセスが全体としてうまくまわるように調整し助言をすることが上司の役割です。

未来の仕事を作ること

もうひとつは、今はまだ形になっていない未来の仕事を作ることです。
新しい客層の開拓・新しい商品の開発・新しいプロセスの設計等、「未来の仕事」にも様々なものがありますが、いずれにしてもこれらは「未来の仕事」ですので成功パターンがまだ存在していません。未来の仕事を見つけ出すために、ありとあらゆる手を打つのがもうひとつの「上司の仕事」と言えます。

部下に任せられない上司は今の仕事にしがみついている?

実のところ、「任せる」ことができない上司は、心の底では「任せたくない」と思っているケースも少なくありません。

部下が成長し仕事ができるようになってしまったら、自分の存在価値が薄れてしまう......実はそんな恐怖心が心のどこかに存在するからこそ任せることができないというタイプです。

うっかり「今時の若いのは」と口に出しそうになった時には、そうなっていないか振り返ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

「部下が育たない、部下に任せられない」と嘆く上司は、実際にはそのために必要な施策を打っていないだけという場合が多いものです。

「任せて、育てる」ためには自分がしてきた仕事をしっかりと再認識し、明文化して「切り分け・体系的教育・モニタリング・助言」をする仕組み、企業風土を作ることが大事です。

そうして「現在の仕事」をどんどん部下に譲ってこそ、未来の仕事を作ることもできるでしょう。

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