建設業の離職率は高い?離職率を下げる4つの方法

楽しい会社づくり
2020年10月01日 by 篠原 和将

目次

建築工事や電気工事など建設業を営む会社にとって、経験豊富なベテラン社員はもちろん、新卒で入ってきた新入社員大切な人材です。経営者であれば、技術力や資格を身に着けて成長した社員には長く勤めてもらいたいと考えているでしょう。

しかし、建設業は離職率が高く、入社して数年も経たないうちに転職してしまう若手社員もいます。安定的に経営するためには、離職率を把握し、人手不足の対策を講じなければなりません。

そこで本記事では、建設業の離職率が高い原因と、離職率を下げる有効な方法について解説します。

建設業の離職率

建設業の離職率が高いかどうかについて、実際のデータを調べてみましょう。以下の表は厚生労働省が公表している、平成26年3月時点に高校を卒業した高卒入職者における就職後3年目の離職率です。

高卒建設業

高卒製造業

高卒全産業

47.7%

28.9%

40.8%

出典:厚生労働省「建設業における若年労働者確保の課題について」
https://www.mhlw.go.jp/

全産業が40.8%、製造業が28.9%であるのに対して、建設業は47.7%と突出した数字であることが分かります。建設業における高卒入職者の約半数が、就職後3年以内に離職している計算です。

建設業の離職率が高い傾向は、高卒者だけの特徴なのでしょうか。以下では、高卒者と大卒者について、平成21年卒業と平成23年卒業における就職後3年目の離職率動向を紹介します。

高卒建設業

高卒全産業

大卒建設業

大卒全産業

平成21年3月卒

43.7%

35.7%

27.6%

28.8%

平成23年3月卒

48.5%

39.6%

29.2%

32.4%

出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
https://www.mhlw.go.jp/

高卒者と大卒者を比較すると、大卒者の方が離職率は低くなっています。また、高卒者では全産業平均と比べてかなり高い離職率となっている一方で、大卒者では平均をやや下回る結果となっている点が、建設業の特徴です。

高卒者の離職率が高いことから、現場で働く職人や監督者の離職率は高い傾向にあることが分かります。

建設業の離職率が高い理由

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建設業の経営に携わっている人にとって、現場で働く若手社員の離職率が高いことは、見過ごすことができない問題といえます。若手社員の離職率を下げるためには、建設業の離職率が高い理由を知ることが重要です。

ここでは、建設業において若手社員の離職率が高い理由について、3つ紹介します。

労働時間が長い

繁忙期の忙しさや納期の厳しさによって、建設業は全体的に労働時間の長いことが特徴となっています。平成26年における常用労働者の年間総実労働時間を見てみると、建設業の労働時間は突出して長いことが分かります。

建設業

製造業

全産業

2,066時間

1,961時間

1,746時間

出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
https://www.mhlw.go.jp/file/

建設業は年間で製造業よりも約100時間、全産業平均よりも約300時間も多く働いています。「労働時間が長い」ことが、建設業において離職率が高い1つの理由です。

とくに若手社員の場合、仕事を覚える必要性から労働時間が長くなる傾向にあります。長時間勤務だけではなく、連続残業が常態化したり、休みが少なかったりすると、身体を壊してしまいます。

また、家族や友人と休みを合わせられない辛さも、離職する人が多い理由です。

賃金が低い

建設業は業務量と労働時間が多いだけではなく、業務におけるミスが大きな事故に繋がりかねない責任の重い仕事です。しかし、仕事の大変さに反して賃金は低い傾向にあります。

以下の表は、平成26年における建設業の男性生産労働者(建設現場で働く男性労働者)と全産業労働者の平均年収を比較したものです。建設業の男性生産労働者は、全産業平均よりも賃金は低いことが分かります。

建設業(生産・男)

全産業

408.6万円

479.7万円

出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
https://www.mhlw.go.jp/file/

建設業の賃金が低い理由は、現場職人の給与体系が日給制であるためです。日給制は欠勤・遅刻・早退などによって給与額が変動するため、月給制よりも収入が不安定となります。

負担が大きい仕事内容に対して、賃金が低くかつ不安定な労働条件であることが、離職率の高い理由です。

職場の人間関係に問題がある

建設業は若手社員が早期に離職する傾向があるため、在籍社員の高齢化が進んでいます。職場に年齢的な偏りができると、少数派の若手社員が孤立する可能性が高いです。

実績を上げても年長の社員がなかなか評価してくれないと、若手社員は不満が溜まってしまいます。若手社員にとっては自分の悩みに共感してくれる人や、相談できる相手のいる職場こそが働きやすい職場です。

また、建設業では「仕事は先輩を見て覚える」「上司の理不尽な命令には我慢する」などの価値観が多く残っている傾向にあります。このような価値観は、若い人に合いにくく、入社してもすぐに辞めてしまう原因となります。

建設業の離職率を下げる4つの方法

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建設業の離職率を下げるためには、離職率が高い理由を踏まえつつ、若手社員が働きやすい環境を整えなくてはなりません。離職率を下げる効果的な方法を4つ紹介します。

①完全週休2日制の導入

社員が休日をきちんと取れる福利厚生の良さをアピールするために、完全週休2日制を導入しましょう。休日がしっかりと設定されている職場であれば、労働時間が長い建設業であっても若手社員の離職を防げます。

完全週休2日制は社員がリフレッシュできることはもちろん、プライベートの時間をしっかり持てることが大きなメリットです。

②若手社員の声に耳を傾けること

現場で働く社員の年齢的な偏りにより、若手社員は孤立を感じやすい環境に置かれています。若手社員が感じる孤立を緩和するために、経営者は若手社員の声に耳を傾けてください。

経営者とコミュニケーションを取り、「自分が必要とされている」と実感できることは、仕事における大きなやりがいとなります。

③採用時のミスマッチを防ぐこと

就職前に抱いていた理想と現実の働き方に大きな隔たりがあると、若手社員は離職しやすくなります。採用時のミスマッチを防ぐためには、会社側から積極的に情報発信することが重要です。例として、以下の取り組みを検討してください。

  • 面接時に会社側から仕事の大変さや、仕事に伴う責任の重さを伝える
  • 会社説明会や現場見学会で、質疑応答の時間をしっかり取る

求人掲載など採用活動の際に、会社側が求める人物像や業務姿勢を明らかにすることが大切です。応募者が自分に合った職場かどうかを判断できるようになると、採用時のミスマッチを抑えられます。

④業務効率化の推進

建設業では、紙による情報共有や、現場に赴いて直接指示出しするなどの業務方法が残っています。業務効率化を推進するために、積極的にICT化を進めましょう。具体的なICT化としては、以下の例が挙げられます。

  • スマホ・タブレットなどの携帯端末を使用して、図面や工数を確認する
  • 現場監視カメラ映像配信システムを併用して、工事の指示出しや施工管理を遠隔で行う
  • 業務管理システムを導入して、業務フローや情報共有をスムーズにする

ICT化により業務効率が向上することで、会社全体の事業効率も改善することが可能です。従業員の作業負担を軽減して休暇が増やせるだけではなく、賃金を増やす余地ができます。

ただし、上記のとおり建設業は他業種と比べて残業時間が長い傾向にあり、明日から完全週休2日制を導入することは不可能に近いでしょう。

今の内から少しずつ業務の効率化分業化を進めていき、完全週休2日になったとしても対応が出来る労働環境・経営状況を構築する力を身につけましょう。

離職率を下げるためにプロの力を借りることも

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建設業の離職率を下げる方法について紹介してきましたが、離職率が高いことで困っている経営者が、効果的な対策を実際に取ることは簡単ではありません。離職率が高い原因は会社ごとに違いがあり、離職率を下げるためには自社の課題に合った対策が必要となります。

自社の離職率を下げるためには、住宅フランチャイズの力を借りることも検討しましょう。

住宅フランチャイズとは、住宅商品を販売・製造するための体系的なノウハウや商標を提供するサービスです。

さらに、一部の住宅フランチャイズでは、住宅商品の提供だけではなく、経営支援や人材育成・確保のサポートも行っています。そのため、経営のプロである住宅フランチャイズの力を借りることが、自社の離職率を下げる近道となります。

ジョンソンパートナーズは、これまでに多くの工務店の経営をサポートしてきた住宅フランチャイズです。生産性や売上を向上しつつ、効果的に離職率を下げるために、ジョンソンパートナーズのサポートを是非一度ご検討ください。

まとめ

建設業は離職率が高く、就職後3年目の離職率は高卒で約40~50%、大卒で約30%前後を推移しています。若手社員が離職しやすい原因は、建設業の職場環境に問題があるためです。

労働時間が長い上に賃金は低く、職場には年齢の近い社員が少ないことにより孤独を感じやすくなっています。建設業の離職率を下げるためには、若手社員が働きやすい環境を整えることが必要です。

ジョンソンパートナーズでは、経営ノウハウの提供や社内組織構築のサポートを行っており、離職率を下げるための支援も行っています。離職率を課題と考えている経営者は、是非一度ご検討下さい。

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