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業績を飛躍的に伸ばしている会社が共通してやっていることとは何でしょうか。
それは、「採用活動」に積極的に取り組んでいることです。
ただし、人口減少の時代背景から、中小工務店の採用は年々難しくなっています。
今回そんな時代を生き抜く経営者に向けて、採用戦国時代のための、工務店向け採用のやり方について解説します。
- 最近主力の社員が辞めてしまった。
- 社長のビジョンに付いて来れない。
- 従業員の平均年齢が上がってしまった。
人材難に悩める工務店が採用活動を「何から、どう着手するべきか」を道筋を立ててご説明いたします。
トップセールスが会社全体の業績を左右することは危険
トップセールスが、会社の業績を左右させる程の影響力を持つ場合、そのスタッフ個人の成績不振が業績悪化に直結します。
また、有能な人材は何処の企業でも力を発揮することが出来るため、会社にしがみつく必要もありません。
そういった人材を失った場合、穴埋め出来るほどの実力者を新たに採用することは非常に難しいのが実情です。
会社全体の業績に直結するほどの影響力を持つスタッフは社内への発言権が非常に高く、経営者や社長と意見が食い違うことやマネジメントが機能しなくなるリスクがあります。
そうなると、社内のコミュニケーション不全を起こし、若手の成長を阻害したり、経営者が思い描く中長期的な取り組みやビジョンの実行が難しくなっていきます。
中小規模の工務店が安定した業績を上げていくためには「人材確保」と「社員教育」の根本的な見直しが必要です。
「人材確保」と「社員教育」のポイント
中小規模の工務店が今後より激しくなっていく採用戦国時代を生き残り、安定した業績を上げていくためには「人材確保」と「社員教育」の根本的な見直しが必要です。今回は5つのポイントに分けてご説明致します。
- 採用に対する意識改革
- ビジョン実現のための組織編制
- 採用≒マーケティングとしての具体的手法
- 会社を活性化させる新卒採用
- 育成・定着の仕組みづくり
上記の5つのポイントを押さえることで、企業の長期的な発展と継続が実現し、
経営者が現場を離れて未来を描く仕事に注力出来る環境を作ることが出来ます。
今回は、まず初めに取り組むべき1~3について具体的に解説致します。
1.採用に関する意識改革
建設技術者の「有効求人倍率」(※)は10年で8倍まで上昇しています。
2009年は0.84倍で、1倍を切っており就職希望者よりも求人が少ない企業が選び放題の状態でした。
しかし、2011年の東日本大震災以降、震災復興のための建設需要などの影響で10年間1度も倍率が下がることなく、2019年には6.69倍まで上昇。1人の建設技術者を7社で取り合うまさに採用戦国時代に突入しました。
7社の競合から取り合う状態では、求人広告を流すだけでは新たな人材を採用することは難しいでしょう。
このような状況でも、中小規模の住宅会社は以前の採用手法から脱却できていません。
自分たちの会社で働くメリットを明確に示し、選択してもらえるような取り組みが必要になります。
2021年は、採用にもマーケティングが必要だということを意識しましょう。
※有効求人倍率=1人あたりに何件(何社)の求人があるか
2.ビジョン実現のための組織編成
「人材の確保」は、とりあえずいま忙しいから人を何人か採用しようということではなく、必要な人員数を中長期の事業計画から算出し、必要な人材を採用・育成する環境を整えましょう。
例:3カ年の組織計画
具体的な事例ですが、営業スタッフの場合年間12棟以上契約が出来る自力を持っているスーパー営業マンを採用することは非常にリスクがあります。
そもそも採用難易度が高く、経費も掛かります。
スーパー営業マンの採用ではなく、普通の営業マンが年間6~8棟売れて活躍が出来る社内体制の確立を目指しましょう。
年間12棟以上の営業マンよりも年間6棟の営業マンを2人採用したほうがリスクが分散されます。
そのほか設計、工務、コーディネーターなど工務店それぞれ業務をカバーする領域が若干異なっているため、それぞれの業務量や人員、生産性に合わせて適正な人材確保を心掛けましょう。
例:年間18棟受注するためのチーム編成
また、場合によっては社内の配置転換を行なうほうが採用よりも効果的な場合もあります。
SNSやWebに見識のあるスタッフを広報・マーケティング担当にすることで、スムーズに業務を行なうことが出来ます。
しかし、新しい中長期ビジョンや目標を掲げた時に、少数であっても反発が起きることがあります。
反対意見や否定を受け入れる事も一つですが、根本的に価値観が異なる従業員を説得し、騙しだまし付き合っていくよりも異動や退職の提案を恐れすぎない事も大事です。
3.採用≒マーケティングとしての具体的手法
採用をマーケティングとしてわかりやすくとらえるために「誰に」「何を」「どうやって」3つに分けて考えましょう。
具体的に...
まずはじめに、求める人材の明確化を行います。募集する職種ごとにどんな人を求めているか、必ず書き出しましょう。
その際、求めていない人材の条件についても書き出し見比べるようにしましょう。
例:年齢、性格、居住地、特技、前職、資格...等
次に、会社の魅力(強み)を洗い出しましょう。
自分の会社は、他の競合と比べて何が魅力的なのかを明確化して、強みを見つけましょう。
キーワードとして「総報酬」を意識して考えましょう。
総報酬とは、単純な給与だけではなく、理念や社風、やりがい、福利厚生、一緒に働くスタッフなど会社で働くメリットを合計したものです。
採用ターゲットになりやすい30代はミレニアル世代と呼ばれる2000年以降に成人した世代が割合を占め、この世代の特徴として高額な報酬だけではなく、理念や社風に共感が出来るか、社風は合っているのか、やりがいはあるかなど給与面以外の部分を重要視する傾向にあります。
共感出来る理念を社長・経営者として発信出来るか、仕事に対するやりがいは具体的にどんなものか明文化して社内へ浸透させましょう。
以上のような、欲しい(欲しくない)人材の人物像選定を行ない、自社の魅力・伝えたいとこを洗い出し、明文化することで、競合に勝てる魅力的な求人・採用広告が作成できるようになります。
具体的な採用活動について...
はじめに採用人数辺りのコスト(必要経費)を計画し、誰が何を担当するのか社内体制や実際に広告を発信する媒体の選定、Web、SNSの発信や面接から採用までのフローを作って行きましょう。
中でもWEBを活用した採用マーケティングは費用対効果が高く、中小規模の会社におススメです。
現在では、求人広告を確認した後、Webページを見ずに応募してくることはほぼありません。
必ず企業のWebページを確認し、どのような企業なのかを情報収集を行なっています。
自社Webページに充実した採用情報を掲載することで広告媒体で求人を目にした方が、Webページを訪れた際応募したくなる情報を掲載しましょう。
また、競合他社の求人情報を収集しておき、より魅力的になっているか、待遇はどうかを比較してくとよいでしょう。
まとめ
建設業界の採用市場は10年前と比較して8倍難しくなっています。
文字通り採用戦国時代のいま、従来と同じような求人広告では採用は出来ません。
競合に負けない自社の魅力を発掘し、採用≒マーケティングだという意識をもって社内全体で採用活動に力を入れていきましょう。
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