儲かる工務店に変わる!儲からない原因や利益を上げる方法を解説

売れる仕組み
2023年11月13日 by 川田 新平

目次

こんにちは、ジョンソンパートナーズの川田です。

住宅業界を見まわすと、工務店の大半が儲かっていないように思います。

実際に全国の工務店の自己資本比率の平均はかなり低く、5〜6割は赤字経営といわれています。

ジョンソンホームズもかつては「忙しいのに儲からない」会社でした。

棟数を増やすことばかりで、利益率を考える視点が欠けていたのです。

工務店が「忙しく頑張っているのに営業利益は毎年トントン」な経営から脱して、儲かるために必要なことは利益率を上げることです。

これまでのコラムで1棟の利益率を25%以上に、という話をしてきました。

ジョンソンホームズは現在、利益率30%を確保しています。

そこで今回は、ジョンソンホームズの事例も踏まえながら、儲からない工務店がすべき利益率を上げるためのポイントをご紹介します。

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工務店が儲からない理由

儲からない工務店がやるべき利益を上げる方法を知る前に、まずは工務店が儲からない理由を知っておきましょう。

値引きやサービスが常態化している

工務店が儲からない理由の一つに安易な値引きやサービスの常態化が挙げられます。

住宅会社・工務店"あるある"でしょうか。

お客様の要望に可能な限り応えようとするあまり、時間をかけてプランを描き、見積もりを作成し、お客様に渾身の提案をするも予算が合わずに諸々の計画変更が必要に。

その結果、契約まで時間を要する、あるいは当たり前のように値引きをして契約する。

契約時の利益率からどんどん低下していく。

以前のジョンソンホームズがそうでした。

また、競合他社と金額勝負に陥った場合は、どうしても値引き交渉に入ってしまいがちです。

値引きをしたら売上は伸びるかもしれませんが、単価が低いため、あまり利益は取れません。

棟数や売上額で評価をしてしまう

「利益率が低くても棟数を売れば儲かるのでは?」という考え方もありますが、売上を伸ばしたとしても原価や経費が膨らむと、思ったような利益が見込めない可能性もあります。

棟数や売上額で評価をしてしまうと、棟数ばかりこだわってしまい、薄利でも売れば良いという文化が形成されやすくなってしまうのです。

安易に値引きやサービス工事をしてしまう要因にもなるため、1棟あたりの利益率が下がってしまう傾向にあります。

そうなると、契約の棟数は多いけれど利益率は非常に悪いため、社員の業務量が増える原因に。

利益率が低い薄利多売の商売だと、残業続きでも給料は上げられない状態になってしまいます。

業務が多く余裕がなくなるとミスが起こりやすく、クレームにもつながり、誰も幸せになっていない状態ができあがります。

薄利では疲れるだけで報われません。

間違ったコストの削減をしている

利益率を上げるためにコストダウンを図るのはどうでしょう。

仕入れを下げるといっても、年間数百棟規模のまとまった棟数でなければ、たとえコストダウンに成功しても、利益の確保に貢献度が高いとまではいかないため有効な策とはいえません。

また、原価を下げる場合にも注意が必要です。

無理な原価の削減は、品質の低下につながり、欠陥工事につながる恐れがあります。

そうなると、お客様の信用を無くし、会社の評判を落とすことにもつながりかねません。

儲からない工務店がやるべき利益率を上げる方法

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儲かる工務店経営をするためには「利益に対して逃げない」ことが肝要です。

利益率を上げるために必要なのは、売値を上げることです。

住宅という商品は取り扱う1件の金額が大きいだけに、利益率の少しの上昇で利益額が変わります。

では、利益率を上げるために何をすれば良いのでしょうか?

ジョンソンホームズの事例も踏まえて詳しくご紹介します。

利益を上げる方法①住宅商品価格を上げる

利益率を上げるために必要なのは、売値を上げることです。

資材や配送費の高騰も進んでいることから、現状の販売価格のままでは工務店の利益はさらに少なくなっていくと考えられるでしょう。

利益率を上げるためには住宅商品の販売価格を上げることは必須。

しかし、単なる販売価格の値上げは契約数の低下につながってしまいます。

お客様に値段以外の面で選ばれる工務店になるためには、価値のある値上げをすることが大事です。

例えば、デザイン性や高い機能性など自社商品の魅力を洗いだしたり、背景に込めたストーリーを磨いたり、自社のサービスの強みを強化したり。

付加価値も高め、営業マンがそこをしっかり理解してお客様と向き合う。

商品の付加価値を上げることで、顧客満足度を高めるだけではなく、値上げを行なっても顧客が満足する状況を作り出すことができます。

値上げすると買ってもらえなくなるのではなく、むしろ価値を感じてくれるお客様は、他社より高かったとしても契約を決めてくれます。

実際にジョンソンホームズでは販売価格を上げるほど、受注棟数が伸びていきました。

過去のお客様と比較されることを心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、住宅業界はもともと価格の根拠が不明瞭ですし、価格を比べることは難しいでしょう。

ですから、臆せずまずは50万円の値上げからでも取り掛かってみるといいと思います。

ジョンソンホームズの以前の利益率は19.6%でした。

利益率30%を目標にして値上げをしていきましょう。

工務店の利益率を上げる方法については、こちらのコラムでも詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

工務店の平均的な利益率|経営を安定化するためのポイントも解説

粗利を5%上げる利益改善手法

付加価値を高めるには時間とお金が掛かる

付加価値を高める取り組みはいわゆるブランディングの領域です。

商品のブラッシュアップをするためには仕様変更をしたり、チラシやWEBページのデザインを新しくしたりする必要性も出てくるでしょう。

社内の打ち合わせや、メーカーや広告・制作会社とのやり取りなど膨大な時間とお金が必要になってきます。

同じ費用をかけるくらいなら、時間を大幅に節約してブランドを買うという方法もあります。

住宅ボランタリーチェーンや住宅フランチャイズチェーンがこれにあたります。

ボランタリーチェーンは主に完成した住宅商品を扱う権利を買うことで、フランチャイズチェーンは主に完成した住宅商品と販売・販促手法を含めて支援を受けながら、1つの事業部として運営していくようなサービスです。

手軽さはボランタリーチェーンで手厚さはフランチャイズチェーンに軍配が上がります。

住宅FC(フランチャイズ)の基本とは?|比較検討のポイントを解説!

利益を上げる方法②営業力を高める

利益率を上げるために、いざ販売価格の値上げをしようとすると、社員から反発が起こる可能性があります。

ジョンソンホームズでは値上げして利益率を高めることに対して「絶対にムリです」という声が上がりました。

利益率を上げ、儲かる工務店にするためには、販売価格を上げることは必須。

それにともない、住宅商品価格を上げても競合負けしない営業力も必要となります。

儲かる工務店にするための営業力を高めるポイントは次の3つです。

  • 臆さず値上げして強行突破する

  • 業績情報を社内に公開する

  • 1件の契約をトップが褒める

詳しくご紹介していきます。

臆さず値上げして強行突破する 

利益率を上げるためにいざ販売価格の値上げをするとなると、売値を上げると売れなくなるという抵抗勢力が社内に現れましたが、値上げに踏み切り、強引に押し進めました。

当社では複数の新築ブランドを展開しているのですが、それぞれ3カ月ごとに約50万円ずつ上げていきました。

自社の常識を最初にひっくり返したのは、値引きをするという概念がほぼ存在しない業界から住宅営業に就いた2人でした。

超新人が上司にいわれるまま売ったら、すごい利益率をたたき出したというわけなのですが、この出来事が突破口の一つにもなりました。

ちなみに、利益率30%をクリアした3番手は「値上げムリ。利益率30%なんて絶対にムリ」と反対していた営業マンでした。

私が声を大にしてお伝えしたいのは、臆さず値上げして、抵抗勢力が現れたなら強行突破してでも前進しましょうということです。

そのまま進めれば、誰かが1棟目をやってくれます。

1棟目が売れることで、「値上げしても購入してもらえる理由はある」と営業マンみんなが認識することができ、自信を持って売ることができるようになります。

安い価格で売るのが重要なのではなく、商品やサービスの価値に対してお客様はお金を払ってくれているという意識を営業マンが持つことが重要です。

業績情報を社内に公開する 

2つ目のポイントは業績情報を社内公開することです。

ジョンソンホームズでは、スタッフ全員がいつでも見られる状態で業績情報を公開しています。

営業マンが自分の契約棟数だけを把握しているのではなく、その1棟でいくら儲かったのか、他のメンバーはどのくらい利益を出しているのか、すべてわかる仕組みです。

利益率30%を示した当時、社員が集まる朝会という場で、契約承認の書類から、契約金額と得られる利益、利益率を公開することにしました。

それまで社内の常識では住宅の粗利は20%なので「2,000万円の契約で粗利400万円」。

しかし、粗利30%「2,000万円の契約で粗利600万円」をたたき出す人物が現れたとき、全員がその額に驚愕したものです。

1件の契約をトップが褒める

単に数字を公開するだけなく、その1棟の契約と数字に対して私が褒めて、感謝や喜びをストレートに伝えることを全社員の前でしてきました。

例えば、3棟契約した営業マンと2棟契約した営業マンの利益に差が出ないこともあります。

これは、2棟契約した営業マンの利益率が高かったということです。

こういうとき、1棟あたりの利益率の高さを取りあげてしっかり褒めるようにしました。

そうすることで、数字と利益を上げる意味を把握すると社員は利益意識を持つようになり、その意識が高まっていきました。

さらに私が褒めることで、褒められた社員の次の動きも変わり、気づくと全員が利益に向かって動き出すという変化が起きたのです。

人は褒められ、自分が信頼されていると感じると力を発揮するもの。

特に上司からの信頼は、仕事において社員の自信やモチベーションにつながります。

ここで面白いと感じたのは「絶対にムリ」と言っていた営業マンたちほど、利益率の高さを誇っていたことです。

それまで私は、社員を動かすのは、面と向かって説得するしか方法はないと思っていたのですが、業績を詳しく開示する、利益率が高い営業マンを褒めるということで、社員を動かすことができると気づいたのもこのときでした。

儲かる工務店と儲からない工務店の違いを知り利益を最大にしよう

工務店が儲からない理由は、値引きやサービスが常態化していることや、棟数や売上額だけで評価をしてしまうことなどがあげられます。

儲かる工務店を目指すには、利益率で解決する方法があります。

まずは50万円からでも臆さず値上げして、抵抗勢力が現れたなら強行突破してでも前進すること。

ただし、値上げをするのであれば、住宅商品の価値を高めるブランディングも重要になります。

また、競合負けしない営業力も必要です。

値上げを検討している段階では、社内からの反対意見も出るかもしれません。

まずは、社内の意識改革を。

業績情報を全社員で共有し、利益率を意識させることから取り組んでみませんか。



ジョンソンパートナーズでは、自社が20年間で20棟/年から300棟/年まで成長してきた工務店経営実績と、全国50を超えるフランチャイズ加盟店舗様への経営支援ノウハウを基に、住宅フランチャイズ支援を通じて住宅会社の経営者様へ業績向上のサービスを行っております。

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住宅会社運営を行なっていく上で企業毎の様々なお悩みに寄り添ったサポートをお約束致します。

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