経営コラム

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営業マンの「話す順序」がお客様の心を動かす!成功するポイント

営業マンの「話す順序」がお客様の心を動かす!成功するポイント

こんにちは、ジョンソンホームズの中原です。



以前このコラムで、我が家で車を買い替えた話をしました。



その後やってきた初めての連休。家でゲームばかりしている僕に、カミさんが業を煮やして言いました。



「せっかく車を買い替えたのに、どこにも行かないの!?」



渋々向かった先は、TVドラマ「マッサン」で一躍注目を集めたニッカウヰスキー創業の地、ニッカウヰスキー北海道工場 余市蒸溜所(以下:ニッカ)。



「カミさんをどこかへ連れていく」だけが目的だった僕には、正直興味のない場所でした。"あの体験"をするまでは...。



そしてその体験が、お客様へのプローチには「話す順序」と「共感できる情報発信」が重要だと気付かせてくれることになったんです。



「全く興味ゼロ」が「好き」に変わるまで


ニッカを初めて訪れた日はとても寒く、元々興味のなかった僕は余計にじっくり見る気もおきず、ほとんどの施設をほぼスルー。


少しだけ足をとめて見たのが、ニッカの歩みを紹介したコーナーでした。



展示を見始めて、創業者の竹鶴さんはちょっとお間抜けな所があるなぁと思った。


だって「ウイスキーは熟成するまでに何年もかかるのに、出荷するまでの間はどうやって食べてくの?」って。



どうもその間は、余市特産のリンゴを使ってリンゴジュースとかアップルワインとか作ってたんですね。へぇ~。地域貢献にもなるし、結構やるじゃん!



商品誕生の背景を少しだけ知って「なるほど」と思っていたところに、試飲コーナーがありました。ドライバーの僕はアップルジュース、カミさんはハイボールを試飲。


ん? 何か、おいしい。



見学ルートの最後は、お約束のお土産コーナー。


「竹鶴さん、やるな」「結構おいしいね」なんて気持ちになっていた僕らは、まんまとアップルワインを買って帰った訳です。



その時から僕らはニッカを意識するようになり、次第に好きになっていきました。



共感できる情報と体験から入ることで興味を後押し!


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もともとニッカウヰスキーのハイボールは家でも飲んでいました。でもカミさん曰く、「家だと、あの時飲んだのとなんか味が違う」のだとか。



そこでお盆休みに、再び余市へ。目当てはウニだけど、前回駆け足で回ったニッカを今度はちゃんと見ようと思って。


ウイスキーの歴史や種類、こだわりなどを見てもっと詳しく知りました。



再び試飲コーナーで竹鶴を飲むと、「やっぱり家で飲むよりおいしい」と。


グラスが違うんじゃないか?という話になり、今度はグラスを買って帰りました。



でも炭酸もなんか違う気がする。そこで後日、家庭で炭酸水が作れるマシンと氷が溶けにくいアイスペールもわざわざ購入。


最初は興味がなかったはずなのに、気がつけばすっかりファンになっていて、財布の紐も緩んでいました。



僕は毎晩カミさんとお酒を飲む時間を大切にしていましたが、この"ニッカ体験"があったことで、時間の質が上がったと感じています。



いちいちウンチクを語ったりはしないけど、飲んでいて楽しい。何となく、前よりおいしい。


商品の背景にある物語を知ったからこそ、一層充実した時間になったのかもしれません。



なぜか多くの住宅会社が間違えている!?セールスステップのポイント


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残念なことに、住宅業界ではほとんどの会社がこの流れを逆にやってしまっています。



まだ相手が欲しいと思っていないうちから、いきなり「この家は●●●万円です」って言っちゃってるんですよ。



価格だけ知ったからといって、欲しくなると思いますか?



ウイスキーに例えれば、唐突に「1本いくらです」って勧められるようなもの。


おいしいかどうか判断できる基準も持っていないし、特に思い入れもないし。「高くね?」としか思わないはず。



その後から「うちの良さを知ってほしい」と迫られても、知ろうと思わないし、面倒くさいだけ。


僕らも、もし試飲コーナーにしか行ってなかったら、たぶん何も感じなかったと思います。



歴史やこだわりを知り、試飲して興味を持ったら、その先の土産コーナーにちゃんと手に届く価格のセットが用意されている。これなら自然と手がのびるというもの。



住宅会社の営業も同じで、いきなり性能や値段を押し出すやり方は逆効果。



例えば「会社の想い」「創業ストーリー」「オーナー様に選ばれる理由」といった、お客様に役立つ情報から発信しましょうよ。



お客様に共感していただき、興味を持ってもらったら「オープンハウスを体験してみませんか?」「無料の住宅相談会がありますよ!」と提案する流れであるべきです。



お客様から「自分たちのことを理解してくれる相談相手」と思ってもらえてはじめて、「いつか家を建てたい」という希望や、「今の家に不満がある」などお客様が抱えている悩みにたどり着けると思います。



ニッカとは無縁だった僕がウイスキーセットを買いそろえたように、自社商品を知ってもらうためには、一見、遠回りに見える情報発信から歩みを進めることが大切ではないでしょうか。



ちなみにカミさんとは、将来家をリフォームしてバーコーナーみたいのを作ろうと、盛り上がってます。



お客様に役立つ情報発信については「お客様想いの情報発信が信頼構築のカギ」でも詳しく解説しています。こちらもぜひご参考ください!



営業マンが話すのは「お客様の気持ちにマッチする情報」から!


誰しも「こんな暮らしがしたい。こんな時間を過ごしたい」という、住まいの理想像を持っているはずです。



自社の商品に興味をもってもらうためには、お客様の気持ちにマッチする情報発信をすることが第一歩。



それで共感が得られれば「実際に見たい、体験したい」という行動につながるはずです。


間違っても、まだ欲しいと思ってもいない相手に、価格やスペックだけを入口にセールストークしないこと!



「自分にとって良いもの」だと感じてもらう


「もっと知りたい」と思ってもらう



これがお客様の心を動かすための道筋です。くれぐれも伝える順番を間違えないよう、気をつけて。



お客様の「買いたい」気持ちを動かすには」も参考にしてみてくださいね。



営業マンに見ていただきたい売れる仕組みづくりについてのコラムを他にも書いていますので、ぜひご参考ください!



この記事を書いた人

中原 一士

中原 一士

株式会社ジョンソンホームズ 執行役員

新築部門、マンション・戸建リフォーム部門など、ジョンソンホームズのマーケティング全般を担う。「COZY」や「イエピタ」「M+」など、多様な価値感のお客様に応える新規事業を立ち上げながら、スタッフがイキイキと活躍出来る場を増やしている。