経営戦略
なぜ住宅会社は不動産機能を持つべきなのか。SOU HOUSEが地域ビルダーの未来を広げる理由

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この記事を書いた人
川田 新平
株式会社ジョンソンホームズ 常務取締役
ヤマチユナイテッドグループ 常務取締役
企業ビジョンの明文化、共有・浸透を図ると同時に、社員の主体性を引き出して活かす組織風土を構築。自社を新たな成長軌道に乗せると共に、「グレートカンパニー」へと導く。
こんにちは。ジョンソンホームズの川田です。
前回のコラム >>住宅会社の未来を再定義する ~新築一本足経営からの脱却~ では、
「住宅会社の未来を再定義する」
というテーマで、新築一本足経営からの脱却についてお話ししました。
住宅価格の高騰。
着工戸数の減少。
集客環境の変化。
こうした環境の中で、住宅会社はこれまでと同じ経営モデルだけでは成長しにくくなっています。
しかし私は、住宅業界の未来を悲観していません。
なぜなら、市場がなくなっているのではなく、市場の形が変わっているだけだと考えているからです。
そして、その変化に対応するために、これからの住宅会社が持つべき新しい柱があります。
それが、分譲住宅事業であり、その先にある不動産機能。
今回は、その理由についてお話ししたいと思います。
分譲住宅は今、時代の中心になっている
住宅市場では今、持ち家よりも分譲住宅比率が上回る流れが起きています。
これは非常に大きな変化です。
理由はシンプルです。
住宅価格が上がったからです。
建築価格の高騰によって、これまで注文住宅を検討していたお客様が
以前と同じ予算では希望エリアで建てられなくなっています。
その結果、家を小さくする。エリアを妥協する。
こうした選択が増えています。
しかし、お客様は本当は立地を妥協したいわけではありません。
希望エリアで、予算内で、ある程度満足できる家が欲しい。
このニーズが、今まさに大きくなっています。
ここにSOU HOUSEの価値があります。
注文住宅会社だからこそ勝てる分譲住宅がある
SOU HOUSEの特徴は、単なる分譲住宅ではありません。
注文住宅会社が提供する分譲住宅であることです。
これは非常に大きな強みです。
一般的な分譲住宅会社は、立地は良いけれど建物が弱いことがあります。
性能・仕様・デザイン・品質管理・アフター対応。
こうした部分で、どうしても最低限になりやすいですよね。
一方で注文住宅会社は違います。
高気密高断熱・耐震性能・設計力・施工品質・現場管理。
そして引き渡し後のアフター体制。
これは長年、注文住宅をやってきた会社だからこそ持っている強みです。
つまりSOU HOUSEは、分譲住宅の価格と立地の魅力に、注文住宅レベルの品質を掛け合わせた商品なのです。
これが、今の時代に非常に強い!
建築価格高騰によって、「注文住宅は欲しいけれど予算が届かない」というお客様が増えています。
でも、
性能は落としたくない。
品質は妥協したくない。
安心できる会社で建てたい。
そう考えるお客様は多い。
このニーズに応えられるのが、注文住宅会社がやる分譲住宅です。
希望エリアに、手の届く価格で、しかも注文住宅に負けない品質で住める。
この市場に、注文住宅会社が入ることは非常に強いのです。
SOU HOUSEはリスクを最小限で始められる
分譲住宅と聞くと、
「大きな資金が必要なのでは?」「在庫リスクが大きいでしょ」そう考える方も多いと思います。
しかし私たちの考え方は違います。
SOU HOUSEは大型分譲ではありません。
1宅地ごとに絶対売れる仕入れをする、これがSOU HOUSEの基本です。
売れる価格でしか仕入れない。
土地に合わせて無理なプランを作らない。
先に売れる建物パターンを持っておく。
この考え方によって、リスクを最小限に抑えることができます。
だからこそ、分譲住宅は決して大きな会社だけのものではありません。
地域ビルダーでも十分に始められる事業なのです。
一人の仕入れ担当から始められる
SOU HOUSEの良さは、なにより事業の立ち上げハードルが低いことです。
最初は仕入れ担当一人から始められます。
土地を探す。
情報を集める。
基準に合えば仕入れる。
売る。
非常にシンプルです。
そしてこの事業は育つと生産性が高い。
少人数でも大きな売上と利益を生み出せる事業に成長します。
これは注文住宅事業とはまた違う魅力です。
これからの時代、人手不足の中でも伸ばしやすい事業モデルだと思っています。
私たち自身が、この8年で未来が変わった
8年前まで、ジョンソンホームズも新築注文住宅中心の会社でした。
もちろん新築注文住宅は今でも大切な主力事業です。
しかし私たちは8年前に、分譲住宅ブランド「SOU HOUSE」を立ち上げました。
当時は、新築一本足経営から次の柱をつくる挑戦でした。
そして今、SOU HOUSEは年間170棟規模にまで成長しています。
そして私たちにとって大きかったのは、新築注文住宅に加えて、もうひとつ大きな収益の柱ができたことです。
住宅業界はこの数年で、住宅価格の高騰。着工戸数の減少。競争激化。市場環境が大きく変化しました。
その中でもジョンソンホームズが成長を続けられているのは
新築一本足ではなく、SOU HOUSEという第二の柱があったからです。
つまり、経営が環境変化に左右されにくくなった、ということです。
ですが私たちが得た最大の価値は、単に分譲住宅の売上だけではありません。
土地を仕入れるために、地域の不動産会社を回って、情報を取りに行って、未公開情報に触れる。
その積み重ねによって、不動産会社との関係性が深まり、土地情報が集まるようになりました。
今では札幌でもトップクラスではないかと感じるほど、優良土地情報を収集できる状態になっています。
そして、この土地情報収集力と不動産会社とのネットワークが、新築だけではない新たな領域への挑戦を可能にしました。
中古住宅、買取再販、リノベーション、賃貸、民泊。
こうした事業も、すべて不動産機能があったからこそ広がったものです。
私たちはSOU HOUSEをやったことで、単に分譲住宅事業を手に入れたのではありません。
住宅会社としての未来そのものが広がったのです。
不動産機能は住宅会社の未来を広げる
SOU HOUSEをやる。
すると、土地情報が集まり、不動産会社との関係ができて、地域情報が集まる。
すると新築以外の選択肢が広がる。
これがポイントです。
私はこれからの地域ビルダーにとって、不動産機能は「あった方がいい」ではなく
「未来をつくるための武器になる」と思っています。
分譲住宅事業の価値は、売上だけではありません。
住宅会社の経営の可能性そのものを広げることにあります。
変化はチャンスである
住宅価格高騰。
市場変化。
顧客変化。
これらは脅威ではなく、新しい事業モデルを作るチャンスです。
そしてその入口として、今、分譲住宅事業は非常に有効なのです。
特に注文住宅会社にとっては、今だからこそやる意味があります。
私はこれからの地域ビルダーにとって、SOU HOUSEのような分譲住宅事業は第二の柱であり、未来への入口になると考えています。
次回は、
「不動産機能を持つと、住宅会社の描く未来がどう変わるのか」
をテーマに、
厳しい環境の中でも描ける、企業の成長ビジョン・今までとは違う未来像についてお話ししたいと思います。