経営戦略
「性能」と「デザイン」で戦うのをやめたら、道が見えたーアーバンアウトドアハウスに学ぶポジションチェンジ戦略

目次
こんにちは。ジョンソンホームズ常務取締役の川田です。
前回、「新築市場でどう戦う?地域ビルダーのこれからの戦略とは」について書きました。
今、地域で家づくりを続けている工務店の多くが、
「性能もデザインも磨いている。それなのに、選ばれにくくなっている」
「価格で比べられ、最後は営業力や値引き勝負になってしまう」
という悩みを抱えていると思います。
市場が縮小し、競合が強くなる中で、これまで通用していた戦い方が通用しなくなっている感覚を持っている経営者少なくないはずです。
そこで今回は、私たちがアーバンアウトドアハウスというコンセプト住宅を通じて実感した
「性能」と「デザイン」で戦うポジションから抜け出すための考え方、つまり「ポジションを変える」という選択についてお話しします。
今、多くの住宅会社が立っているポジション
今の市場で成果を出すための戦略として、ポジショニングが最重要だと考えています。
商品をどうするか、集客をどうするか。その前に「どこで、誰と戦うのか」を明確にする必要があると感じているからです。
現在の住宅市場を見渡すと、住宅会社のほとんどが
性能訴求+デザインテイスト、いわゆるポピュラーでみんなが憧れるデザインや間取りを志向していて、
お客様が複数の会社の中から、「どこがいいかな」と選ぶ競合前提のポジションをとっているように思えます。
もちろん、性能やデザインは住宅にとって欠かせない要素です。
ただ、その方向を目指す会社があまりにも多く、結果としてお客様から見ると「どれも似ている」「自分ごととしては決め手に欠ける」 状況になっているのが現実ではないでしょうか。
ここで改めて整理しておきたいポイントが、ターゲット設定です。
多くの住宅会社は、市場全体をターゲットにし、「性能」と「デザイン」を軸に競合他社の中から選んでもらうポジションに立っています。
このポジションで戦い続ける限り、強力な競合と正面から向き合うことになります。
最終的には営業マンの質や価格での勝負になり、結果として強者の戦略に押し切られてしまうケースが増えていきます。
集客面においても、お客様が選びにくく、違いがあまりわからない広告訴求になってしまい、結果としてお金をかけても人が集まらない。
資本力や人材力で勝る会社ほど、有利になる構造です。
ポジションを変えるという決断
こうした状況から抜け出すために、私たちはポジションを思いきって変えてしまうことを選びました。
これが、アーバンアウトドアハウスという住宅ブランドの最重要戦略です。
性能やデザインの土俵で、少しだけ違う存在になる。
その戦い方には、正直なところ限界があります。
同じ場所で戦い続ける限り、いずれ比較と価格の勝負に引き戻されてしまうからです。
そこで私たちは、ターゲットを明確すぎるくらいに絞り、
「あなたのための家ですよ」と言い切れるポジションを取ることにしました。
これが、ポジションチェンジのポイントです。
この考え方を形にするために、スノーピークとコラボしたブランド住宅を作り、ターゲットを「キャンプが趣味の人」と、明確すぎるくらい明確に設定しました。
これくらいターゲットを限定することが始まりとなり、コンセプト、商品、集客、営業トークに一貫性が生まれます。
誰に向けた住宅なのかが明確だからこそ、伝える言葉がブレず、集客効率や契約率も上がっていきます。
一方で、性能やデザインの自社なりの強みを磨いているつもりでも、実は同じポジションの中で、ほんの少しの差しかつくれていない。
そんな状態に陥ってしまっているケースも、決して珍しくありません。
では、ポジションを変えることで、実際に何が起きるのか。
集客や営業の現場では、どんな変化が生まれるのか。
次回は、
「集客がありえないくらい良いのは理由がある」
をテーマに、なぜこれだけ集客に反応が出ているのか、その背景についてお話しします。
この記事を書いた人
川田 新平
株式会社ジョンソンホームズ 常務取締役
ヤマチユナイテッドグループ 常務取締役
企業ビジョンの明文化、共有・浸透を図ると同時に、社員の主体性を引き出して活かす組織風土を構築。自社を新たな成長軌道に乗せると共に、「グレートカンパニー」へと導く。