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自社の商品に興味がない営業マンをつくらないために!商品の併売を禁止するべき理由

自社の商品に興味がない営業マンをつくらないために!商品の併売を禁止するべき理由

こんにちは、ジョンソンホームズの川田です。



当社では、全営業マンが月1棟・年間12棟受注することを目標にしています。


これを実現するために営業改革に取り組んできました。


標準化した営業の型をつくったのですが、売るための土台となっているのがブランドチーム制の組織編制。


つまり営業マンの商品併売禁止です。


いくつもの商品を併売すると、自社の商品の中でも営業マン自身が興味の持てない商品が出てきてしまうことが多々あります。


自分にとって興味の薄い商品は、売り込むための説明を展開することも難しくなり、仕事へのモチベーションも湧きにくいでしょう。



営業マンが本気になってお客さまに提案したいと思えるブランド・商品をもつことは、工務店経営の重要なポイントです。


自分が売るその商品に興味を持てるかどうかでも営業成績は変わってきます。



そこで今回は、自社の商品に興味がない営業マンに対しての対策として、1つの商品の営業に集中させる、商品の併売をしない営業についてご紹介します。


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1つの商品の営業に集中させるメリット


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一般的に営業マンは、自分が売りたいものだけ売れば良いというものではありません。


ほとんどの企業が複数の商材を扱っており、各商材ごとにノルマが課されるため、自分が売りたくなくても、お客様に売り込まなくてはいけないのです。



そのようないくつもの商材を併売する状況では、お客様が望んでいるかどうかに関係なく、自社の商材の中でも自分が興味のあるほうばかりをお客様へ勧めがちになってしまいます。


自分にとって興味の薄い商材は、売り込むための説明を展開することも難しくなり、仕事へのモチベーションも湧きにくいからです。



そこでジョンソンホームズでは、1つの商品の営業に集中させるためにブランドチーム制とし、「商品の併売をしない営業」つまり、「自分が属しているブランドの商品だけを受け持つ営業」をしています。


ここでは、ジョンソンホームズが行なっている、併売せずに1つの商品の営業に集中させる3つのメリットをご紹介していきます。




メリット①ブランド愛が深まる


ジョンソンホームズでは現在、6つの新築ブランドを展開しています。


>>住宅商品一覧



これらのブランドはお客様を趣味趣向や理想とするライフスタイル別で細分化し、顧客視点から発想しました。


それぞれ明確なコンセプト、独自の世界観を持たせています。



ライフスタイルブランドである当社が提案しているのは、単に家という商品ではなく、その家での暮らしという価値。


お客様は、これからどんな暮らしをしていきたいかを考え、それに合わせて家を検討するため、家を選ぶことは生き方を選ぶことといっても過言ではありません。


当社では、暮らしという価値の提案を入り口に、建てて住んでからずっと「自分らしい幸せな暮らし」をお客様に提供しようと活動しています。



各ブランドは、それぞれを1つの事業体として運営し、事業計画から社員で考え、ブランドの中にどんな住宅商品をつくっていくのか、どうブランドを育てていくのか、すべて自分たちで考えます。


そうやってどっぷりと浸かっていると、ブランドに対する愛がどんどん深まっていくのです。



その程度はというと、ブランドを否定されると自分が否定されたように感じるくらいの深さです。


お客様と向き合う際、営業マンは自分のブランド愛を発揮します。


発揮するというより、ブランドが好きすぎて自然とその魅力が言葉に出てくるようです。


自社の商品に愛があると、自信を持ってお客様におすすめすることができます。



ブランド愛の発信例


ジョンソンホームズでは暮らしに関するYouTubeチャンネルを運営しています。


その中でDIYや薪ストーブ、キャンプが好きな方に提案しているナチュリエの営業マンが、山奥で露天風呂を作って入る動画をアップしており、私も密かに応援しています。



ジョンソン暮らしチャンネル~キャンプでお風呂。どこでも露天風呂。~





お客様の悩みは何か、その悩みを自分のブランドでどう解決できるのか。


中にはブランドを変えたほうが、そのお客様にとって幸せな選択になることもあるでしょう。


「ブランドに対する愛」と「商品に対する自信や知識」が上乗せされた状態でお客様と向き合うことが、契約に結びついています。



営業マンと活躍できる環境の相性の大切さについては、こちらのコラムでご紹介していますので、あわせてご覧ください。


商品力と営業力は相性が大切。営業マンを生かして離職を防ぐ!




メリット②ブランドが洗練される


営業マンが扱う商品ブランドを1つに絞ることで、自身のライフスタイルにまで変化が起きます。


ジョンソンホームズでは、商品ブランドに合わせた服装を許可しています。



アメカジ工務店のスタッフはビジカジスタイル(ジャケット+パンツ)のスタッフが大半ですが、Gジャンで接客するスタッフもいます(笑)。


車もジープに乗っているなど、自身がアメカジスタイルのライフスタイルを過ごしているため、お客様への暮らしの提案にも説得力が出てきます。



また、新商品やツールを開発する際も「アメカジ工務店というブランドに沿っているか」を自分の暮らしと照らし合わせて判断を行うため、テーマからブレることなく、より洗練されたものになっていきます。




メリット③業務が効率化される


併売を禁止することは、業務の効率化にもつながります。



もし、1人で複数の商品を扱う場合、新たなツールや販促物を制作する際には、異なる資料を一つひとつ確認したり読み込んだりする手間がかかります。


また、お客様によって趣味趣向、お家づくりに求めていることも変わってくるため、売る商品が増える分だけ、お客様理解により多くの知識が必要となるのです。



そのため、1人の営業マンが異なる商品を求めているお客様に次から次へと営業することは、事前準備にも時間がかかるため知識不足になりやすく、お客様の信頼を失うことになりかねません。



反対に、興味のある商品の営業に集中させると、業務が効率化されて、1つの商品と向かい合う時間が増え、深く携われるようになります。



そうすると、その商品を熟知できるのはもちろんのこと、愛着や自信を持って営業できるようになります。


商品に対しての愛着と自信があれば、その商品に対してお客様が発した言葉から、欲求や悩みを的確に読み取る力も自然と備わります。


それが契約にもつながっていくのです。


営業が興味のない商品をうまく売るのは難しい


前述した通り、本来営業というものは自社が持っている複数の商材を、お客様に売り込まなくてはいけません。


しかし、いくつもの商材を併売すると、1つの商材に集中できないため、それぞれの商材に対し興味が薄くなっていく可能性があります。



また、お客さまが望んでいるかどうかに関係なく、自社の商材の中でも自分が興味のある方ばかりをお客様へ勧めがちになってしまいます。


自社の商品やサービスに対する絶対の自信がないとお客様へアピールするのは難しいでしょう。



ここでは、併売することで起こる失敗事例をご紹介します。




併売の失敗例 


とある住宅会社では、自社の高断熱高気密が売りの住宅商品と、自然素材が売りの住宅商品を併売していました。



自然素材の住宅商品のチラシを見て来場されたお客様へ商品説明を行う際に、自身が詳しい高断熱高気密の住宅商品を中心に説明してしまったところ「〇〇さんの会社ではどの商品を売りたいのでしょうか?」と言われてしまったそうです。



自然素材が売りの住宅商品を広告していたのに、自身が得意な商品の説明につい熱が入ってしまい、お客様を困惑させる事態になってしまいました。






「午前中はA商品、午後からB商品、夕方はC商品で引き合いがあったお客様と商談」なんてことになると事前準備に膨大な時間がかかり効率が悪いとともに、頭の切り替えが上手く行かないでしょう。



ジョンソンホームズでは、営業スタッフだけではなく工務や設計、コーディネーターも基本的に1人1ブランド制にして、業務の効率化を図っています。


お客様の要望に沿った​ブランドの営業が担当するため、お客様の気持ちを汲み取った、心に響くアプローチができるのです。


ジョンソンホームズの営業の強みとなるアンバサダーストーリー


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営業マンのブランドに対する愛と商品に対する自信に加え、ライフスタイルブランドのジョンソンホームズの強みになっているのが、ブランドのコンセプトを体現し、自分らしい暮らしを存分に楽しまれているオーナー様が大勢いることです。



そうした方々を、私たちはアンバサダー(大使)オーナー様とお呼びしています。



お客様と向き合う際、例えば「家族で育てていく、無垢の家」というコンセプトを伝えるには、その家を家族で育てながら暮らされているアンバサダーオーナー様を事例に、家づくりや暮らしのストーリーをお話しします。



聞いてくださるお客様は、自分のしたい暮らしへの期待にわくわく感が募り、また、好きなことや趣味のことなどへ話題が展開していきます。



伝説のようなオーナー様の事例と、それをブランド愛をもって語る営業マンの姿勢が、ブランド・商品に対する共感や信頼となって、契約につながっています。



通常ですと、こういった伝説的なオーナー様は5年、10年営業マンとして活動していくことで得られる貴重なものです。



しかし、ジョンソンホームズでは会社を上げてアンバサダーを取材して写真や動画に収めることで誰でも活用できるツールにしています。


直営店だけではなく、ジョンソンパートナーズの加盟店さんも利用ができるので、加盟してすぐブランドを活かした営業活動をスタートすることができます。


商品に興味のない営業マンをつくらないためにブランドチーム制を!


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ジョンソーンホームズでは、ブランドチーム制をとり、営業マンが1つの商品だけを受け持つことで、成果を出してきています。



商品を併売せず、興味のある商品の営業に集中させることは、ブランド愛が深まる、ブランドが洗練される、業務が効率化されるといったメリットがあります。



もしも、ブランドチーム制ではなく、商品の併売を許可してしまうと、自分が受け持つ商品に対して興味は薄いものになっていただろうと思います。



やるしかないからやっているといったスタンスはお客様に透けて見えます。


どんなにマニュアル通りに丁寧に説明してもなかなか刺さらないでしょう。


そもそも営業マン自身が営業を楽しめないのではないでしょうか。



営業スタッフが揃っていて、取り扱い商品が整理できるなら、ブランドチーム制にすることをおすすめします。


また、完全注文ばかりで、明確なコンセプトのある商品を持っていない、または商品を作っても広報・販促が上手く行かないと悩んでいる方は、是非一度ご相談ください。


ジョンソンパートナーズは5つの異なるライフスタイルの商品を用意しています。



ジョンソンパートナーズでは、自社が20年間で20棟/年から300棟/年まで成長してきた工務店経営実績と、全国50を超えるフランチャイズ加盟店舗様への経営支援ノウハウを基に、住宅フランチャイズ支援を通じて住宅会社の経営者様へ業績向上のサービスを行なっております。



ジョンソンパートナーズでは他にも、ビジネスに役立つ経営のヒントをたくさん発信しています。


会社運営や社員のモチベーションなどで悩んだら、ぜひ参考にしてみてください。



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この記事を書いた人

川田 新平

川田 新平

株式会社ジョンソンホームズ 常務取締役
ヤマチユナイテッドグループ 常務取締役

企業ビジョンの明文化、共有・浸透を図ると同時に、社員の主体性を引き出して活かす組織風土を構築。自社を新たな成長軌道に乗せると共に、「グレートカンパニー」へと導く。