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離職率を下げる方法は?定着率を向上させる取り組み「月一面談」

離職率を下げる方法は?定着率を向上させる取り組み「月一面談」

こんにちは、ジョンソンホームズの川田です。



会社を経営していくうえで、スタッフの定着率向上は非常に重要な課題です。


大きなコストを掛けて採用したのにもかかわらず1年経たずに辞めていってしまう方が多いと、なかなか会社を成長させることが出来ません。



今回は、そもそも離職率とはどんな指標なのかや、離職率が高くなる原因、その解決方法として私たちが導入している【月一面談手法】についてお話しします。


離職率とは


そもそも離職率とは、一定期間でどれくらいの従業員が退職したかを表す割合のことです。


1年間で算出することがほとんどで、厚生労働省によると下記の計算方法で離職率を出すことができます。



■離職率 = 離職者数 ÷ 常用労働者数(1月1日現在) × 100 (%)


※常用労働者=期間を定めずに雇われている人、1か月以上の期間を定めて雇われている人のこと



離職率が高いということは従業員が職場に定着しにくいということです。


企業の中核となる人材が離職してしまうと企業の生産性や社内のオペレーションなどに問題が発生することもあり、そのしわ寄せによって他の従業員の離職を招く恐れもあります。



また、離職率に注目する求職者もいるため、離職率が高いことによって優秀な人材の確保が難しくなる可能性もあるのです。



入職者を年齢別に見ると、環境が大きく変わる新入社員の離職率が高い傾向があります。



管理職社員や経営者は、企業の課題を発見して改善する努力を行い、新人を含めた従業員の離職率を下げることがとても大切です。


離職率が高い企業の特徴とその対策方法


士気が下がるイメージ.png


離職率はなぜ高くなるのでしょうか?



その原因はさまざまですが、離職率が高い企業では、スタッフがその会社で働く意義を見い出せていない状態を放置していることが多いといえます。



離職率が高い企業の特徴をもとに、対策についても考えてみましょう。




業務量にスタッフの給与が見合っていない


スタッフの業務の成果への給与や報酬、評価が低いと、仕事へのモチベーションが下がる原因になります。



残業しているのに残業代が出ない、仕事が増えたのに給与が変わらない、福利厚生が充実していないなど、賃金や待遇面で不満を抱える従業員が多いと離職率が高くなるでしょう。



長時間労働になっていないか、昇進したらふさわしい昇給があるかどうかなど、見直してみることも大切です。




評価方法やキャリアアップの条件が不透明


行なった業務への評価方法やキャリアアップの条件が不明確だと、仕事へのやりがいを持ち続けるのが難しくなります。



年功序列などの曖昧な昇進条件ではなく、従業員がきちんと納得できる評価制度があるかという点が重要です。


その制度が明確にスタッフにも周知されているかも確認しましょう。



また、キャリアアップのための教育機会やフォロー体制が組まれているかどうかもポイントとなります。




社内のスタッフ同士の関係性が悪い


職場での良好な人間関係は快適に働くうえで欠かせません。


スタッフ同士や上長との関係性に大きなストレスがあると、離職率も高くなってしまうでしょう。



社内の人間関係が悪いと、何かトラブルがあった場合でも相談できる相手がおらず1人で抱え込み、さらに大きな問題や従業員のうつ病などに発展する原因にもなりかねません。



また、社内でハラスメントが行われているケースもあります。


パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、モラルハラスメントなど、さまざまな嫌がらせを早期に発見して防止に努めることは事業者の義務となっています。




業務内容や会社の将来性への不安がある


自分の業務が社会貢献にならないのではないかと不安になったり、業務をすることでの成長が見込めないと思う場合にも、離職率は高まる傾向があります。



企業のビジョンが浸透していないと、自分の業務が顧客や社会にどのような影響を与えるのか、どのような意義があるのかを感じにくくなってしまいます。



また、業績が不振であったり不透明である場合には、会社の将来性に不安を持つ従業員も出てきます。


業務改善に努め、それがスタッフにもきちんと伝わっていることが大切です。




離職率が高い業界の企業である


業界や職種によって従業員の離職率には大きな差があります。



2021年のデータによると、宿泊・飲食サービス業では年間の離職率は25%を超えています。



逆に、情報通信業や電気・ガス・熱供給・水道業では10%を切っており、離職率には大きな差が開いています。



























































































 No



業界



離職率



 1



宿泊業・飲食サービス業



25.6%



 2



生活関連サービス業・娯楽業



22.3%



 3



サービス業(他に分類されないもの)



18.7%



 4



教育・学習支援事業



15.4%



 5



医療・福祉



13.5%



 6



卸売業・小売業



12.3%



 7



学術研究・専門・技術サービス業



11.9%



 8



運輸業・郵便業



11.5%



 9



不動産業・物品賃貸業



11.4%



 10



鉱業・採石業・砂利採取業



10.0%



 11



製造業



9.7%



 12



建設業



9.3%



 12



金融業・保険業



9.3%



 14



情報通信業



9.1%



 15



電気・ガス・熱供給・水道業



8.7%



 16



複合サービス業



8.1%



※参照:厚生労働省【産業別離職率(令和3年(2021)】



しかし、同じ宿泊・飲食サービス業でも会社によって離職率が低い場合があったり、情報通信業であっても離職率の高い企業があったりします。



離職率は業界や仕事内容だけではなく、企業風土や環境によっても大きく左右されているようです。


離職率を大幅に下げる取り組み「月一面談」の実施方法


ミッションイメージ.png


社員のモチベーション低下を防ぐためにも、上長がしっかりとスタッフのケアを行って離職率を下げることが大切です。


そのための対策方法として、私たちが行っている「月一面談」についてご紹介いたします。



私たちジョンソンホームズでは、札幌市内に3店舗のインテリアショップを展開しています。



厚生労働省の調べでは「サービス業(他に分類されないもの)」に当たりますが、3店舗平均の離職率は3~4%となっており、国内平均の18.7%を大きく下回ることが出来ています。



離職率を下げるためには、従業員にやりがいを持って働いてもらう必要があります。


従業員にやりがいを持って働いてもらうために、成果、スキルアップ、将来像・ビジョンなどが認識出来るよう上長が個別のフォローを行っていきましょう。



ジョンソンホームズでは、各従業員の直属の上司が、毎月の面談を通してフォローを行っています。




月一面談のメリット



  • ミッションを浸透させられる

  • やりがいを見つけてあげられる

  • 自己成長の機会を設定できる




離職率を下げるためには「なぜこの会社でこの仕事をしているのか」「世の中にどう役立っているのか」について、明確に示してあげることが大切です。



ジョンソンホームズでは、「いつまでも続く、自分らしい幸せな暮らしを提供します。」というミッションを掲げています。


住宅会社として、ただ家を販売して終わりではなく、将来にわたって幸せな暮らしをする家族を支えていくために、飲食事業やインテリアショップの運営を行っています。



掲げたミッションに合わせて会社の事業を展開し、その事業に従事するスタッフにも何のために自分は働いているのかを意識してもらうことが重要です。


そのために、日々ミッションと目標、仕事内容を紐づけて打ち合わせや面談を行っています。



また、やりがいは従業員によって異なります。


ミッションがスタッフに浸透していることは仕事のやりがいに繋がってきますが、それ以外にも成果やスキルアップ、将来像・ビジョンなどを明確にすることも大切です。



自身の仕事に成果が結び付いているか、与えられた業務に携わることで自らのスキルアップが見込めるか、業務によって自身の将来像やビジョンを描くことが出来るかなど...。


各従業員に対してこれらのやりがいを見つけてあげることが、離職率を下げることに繋がります。




月一面談の実例(インテリアショップスタッフ)


ここでは、インテリア事業部での月一面談の成果についてお話しします。



私たちのインテリアショップでは、店舗スタッフ全員に上長が毎月1回の面談を行っています。


その中で、会社のビジョンやパーパス、ミッションを基にしたスタッフ個人の役割について重点的にお話をしています。



今年1年は何を目標としてステップアップをしていくのか、どんなことがやりたいか、目標が達成できたときの成果について。


ただの悩み相談や目標達成率・日常業務の指導を行うのではなく、こちらが成長してほしい姿とスタッフ個人がどうなりたいかの将来像を綿密にすり合わせします。



また、スタッフが納得したステップアップの目標に合わせて、1年目の新人からでも下記のような上位の仕事を積極的に任せています。



  • 日割予算の作成

  • 商品仕入れ

  • イベント企画

  • 店舗レイアウト変更

  • 会議ファシリテーション etc




さらに、自身の成果に報酬が結び付くことで、やりがい搾取ではない働きがいの醸成に繋がっています。



販売成績に応じたインセンティブを設ける、出来る業務の幅を増やす、成長目標を達成した際に正社員登用がされるなど、報酬を用意することでモチベーションの維持・向上が可能です。


離職率を下げる方法を実践しよう


離職率は、一定期間でどれくらいの従業員が退職したかを表す割合です。



離職率が高い企業では戦力となる社員が離職してしまったり、いい求職者を確保しにくくなるなどのリスクが考えられます。



給与が見合っていない場合や、キャリアアップの条件が不明確、社内の人間関係が悪い、業務内容や会社の将来性に不安がある場合などに離職率が上がる傾向があります。



また、業界の種類によっては平均の離職率が高い場合もあります。



社員の離職率を下げるためには、仕事に対する働きがい・やりがいを上長が見つけてあげたり、自己成長を実感してもらうことが重要です。


そのために、それぞれの従業員に対して上長が定期的に面談を行うことが効果的です。



その際注意すべきは、ただスタッフのやりたいことをやらせてあげるのではなく、企業としての軸(パーパス、ミッション、ビジョン)とすり合わせを綿密に行っていくこと。



会社の目指すところとスタッフの目指すところのフォーカスを上司が合わせてあげることで、社員は働きがいをもって仕事をし、その成果が直接業績に結び付いていきます。



私たち住宅フランチャイズ【ジョンソンパートナーズ】では、住宅商品ブランドの提供を行っています。


それだけではなく、工務店経営をよりよくしていくために加盟店様と密に連携して企業ミッションを作り上げる支援を行った実績があります。



離職率の増加に悩んでいる住宅会社様がいらっしゃいましたら、是非一度ご相談ください。



また、Facebookでも日々中小企業の経営者様が抱える経営課題の解決に繋がるような発信をさせていただきます。


よければフォローをお願い致します。


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ジョンソンパートナーズでは他にも、ビジネスに役立つ経営のヒントをたくさん発信しています。


会社運営や社員のモチベーションなどで悩んだら、ぜひ参考にしてみてください。



この記事を書いた人

川田 新平

川田 新平

株式会社ジョンソンホームズ 常務取締役
ヤマチユナイテッドグループ 常務取締役

企業ビジョンの明文化、共有・浸透を図ると同時に、社員の主体性を引き出して活かす組織風土を構築。自社を新たな成長軌道に乗せると共に、「グレートカンパニー」へと導く。