経営コラム

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「幸せな暮らし」を叶える、顧客満足度の高い家づくり

「幸せな暮らし」を叶える、顧客満足度の高い家づくり

「お客様の望みを聞いて、できるだけそれを叶えるように設計してもなかなかOKが出ない」
「注文通りに作ってもイメージと違うと言われてしまう」


お客様に満足して喜んで欲しいにも関わらず、工務店経営はそんな悩みがつきものです。



あなたは、パートナーとして、お客様が本当に望んでいること、困っていることをきちんと知ることができているでしょうか。


今回は、お客様の希望通りの家づくりをするために必要な、「顧客満足の高い幸せな家づくり」について考えてみましょう。



「幸せな家づくり」で理解すべき、お客様の心情


幸せな家づくりのためには、家を建てようとしているお客様の心の動きを理解しなければなりません。


家づくりの過程で、お客様がどのような心情なのか、まずは考えてみましょう。




  1. お客様にとってのストレスは、「分からないことを聞かれること」




家を建てることを決めて、どんな家にしようかと「構想」するのは夢ふくらむ楽しい時間ですが、それがストレスになることも多いものです。


例えば、家電製品や携帯電話を買おうとしたとき、店員に細かいことを延々と質問されてうんざりした経験はありませんか?
自分がわからないことを聞かれ、決断を迫られるのは人にとって大きなストレスになるものです。
「クロスは?」「設備は?」のような質問をされて自信をもって決断できるだけの知識を持ったお客様は多くありません。


「お客様の望む家」を作るために誠意をもって聞く質問が、逆に顧客満足にマイナスになることもあるのです。





  1. 「工事」の過程は、期待と不安の交錯する時期




仕様が決まり設計が済んだら「工事」の段階になりますが、多くの場合、お客様はその作業を見ていることしか出来ません。


「あとは完成を待つだけ」と楽しみにしつつも、「確実に滞りなく遂行してくれるだろうか」という懸念もお客様の心をよぎります。
期待と不安が交錯する間に思い悩んだり、更には
決めたはずの仕様にも後悔が出がちな時期でもあります。





  1. 工務店のゴールは「完工」。しかしお客様にとって、完工は「暮らしのはじまり」




構想と工事を終えてようやく完工を迎えたとき、住宅会社はそれをゴールと考えがちですが、お客様にとってはそれが夢の出発点です。
家族の団らんもガーデニングもホームパーティも、実現したかった「暮らし」はそこから始まります。


建てて終わりではなく、お客様のずっと続いていく暮らしを見つめることのできるパートナーになることが重要です。



「幸せな家づくり」と「幸せな暮らし」のためにやるべきこと


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「お客様のパートナーになる」


こう言うのは簡単ですが、では実際にそうなるためにはどうすればよいでしょうか。





  • お客様の願いを理解する




「どんな暮らしをしたいのか」「どんな気持ちで生活していきたいのか」という「想い」は、お客様によってそれぞれ違います。


ホームパーティを開きたい、音楽を楽しみたい、本格的な料理を作りたいなど、何故そうしたいのかという「想い」についての話をよく聞きましょう。


それ自体では直接は間取りも寸法も配色も決められませんが、お客様に信頼され、顧客満足を得るためには大事なことです。







  • 「決めてあげる」ことも必要




何から何までお客様の決定に任せるのは、顧客の希望を尊重しているようでいて、実は「決断」の責任を負わせているようなもの。お客様の願いは「幸せな暮らしをすること」であって、ドアの色にこだわることではありません。


お客様が決められないことについては、本当に実現したい暮らしを理解・整理して「決めてあげる」ことも、専門知識を持ったパートナーの役割ではないでしょうか。







  • コミュニケーションは双方向で




「パートナー」とは、お互いに本音を話す関係です。本音を話さない方は信用されず、おつきあいも長続きしません。


本当に良い住宅を作って長期間の顧客満足を得るためには、住宅会社の社員は「家を作る」側と「家に住む」側、双方の立場が分かる人間として、率直な話をする必要があります。



人は、自分の願いを理解してくれるプロに任せたいと思うもの


「パートナーになる」ことで求められることは「信用」です。
しかし、信用されることでお客様との「信頼関係」が生まれます。
専門知識を持ち自分の願いを理解してくれて、それを実現しようと考えてくれる、そんな信頼のおけるパートナーがいれば人は多くの決断をパートナーに任せたいものです。


自分が尊重されていると感じている顧客との間では多少の行き違いがあっても重大なトラブルになる前に解決できます。



ゴールを完工後の「幸せな暮らし」に置いてお客様の想いをよく聞くことは、設計を進める上では無駄な時間にも思えますが、パートナーになるためには必要なことなのです。



まとめ


家づくりは、お客様の想う「幸せな暮らし」を実現するべく、進めていくものです。


住宅会社はお客様とともにその幸せな暮らしを実現するためのパートナーでなければなりません。


「お客様の言う通りに家を作って終わり」とするのではなく、「幸せな暮らし」を実現させるためにお客様の願いを理解しましょう。


その上で専門的視点から提案できるパートナーこそ、真の顧客満足が得られるのです。



この記事を書いた人

金子 祐介

金子 祐介

株式会社ジョンソンホームズ 戦略室

輸入住宅の営業マン、チームリーダー、新規事業の立ち上げを経て、2014年よりフランチャイズ事業部へ。営業やマーケティング支援に留まらず、社内風土改革や人材育成など、あらゆる問題の解決を支援。